ダッシュボードとは?活用方法とメリットをわかりやすく解説

ダッシュボードとは、数多くの情報をひとまとめにしたものを指す言葉です。

「ダッシュボード」と言われると、飛行機や車に搭載されているガソリン量やスピードが一目で見られるダッシュボードがすぐに頭に浮かぶかもしれません。このダッシュボードがあって、パイロットや運転手がすぐに状態を把握でき細かな判断ができます。

情報を一覧で見ることのできる「ダッシュボード」は、車のダッシュボードと同様に明確な指標を一目瞭然な形で伝えるという意味で同じです。運転手や飛行機のコックピットと同様に、組織で使うダッシュボードは何が今起きているのかを時々刻々で把握する必要があります。

ただ、「ダッシュボード」という言葉を聞いても、それは自社で取り入れるべきなのか、具体的に何をすべきなのか、どのようなツールを使うのか、イメージできないという声も多く聞かれます。

そこで本記事では、システムやITの知識がない方にもわかりやすく、実務に即した視点から「ダッシュボード」とは何かの基礎知識、どのようなツールで作られ、どう作るのか?に加え、注意点までをわかりやすく解説します。


1.ダッシュボードとは、多くの情報を一つにした画面のこと

ダッシュボードとは、様々なデータの集計、その他情報が詰まったものを一つの画面にまとめたものです。他者に瞬時に情報を共有することを目的とします。

イメージとしては丁度下記のようなものが代表的です。

▼会社の利益のモニタリングをするダッシュボード例

▼会社の売り上げ、コストなどを把握するダッシュボード例

 


2.ダッシュボードでできること

一般的に、以下の機能が実装されています。そのダッシュボードによって様々な機能がありますが、以下は極めて一般的なものであり、「レポート」と呼ばれるものと大きく異なるポイントです。

レポーティング

ダッシュボードに表示されているデータやグラフを出力し、レポートを作成できます。PowerpointやCSV,Excelなどへの出力も可能です。

ダッシュボードとレポートの大きな違いは、データの鮮度

ダッシュボードとよく比較される言葉に、「レポート」があります。一般的には、以下のように使い分けられています。

ダッシュボード
・データにリアルタイム性(少なくとも日次)があることが前提
・視覚的に効果的な表現が使われる
・BIツールやブラウザ画面を前提とすることが多い
レポート
・人間がテキストで文章を作ったもの
・会議資料として人がまとめたもの
・データはリアルタイムではなく、鮮度が低い
・ExcelやPowerpoint、ドキュメント類へ情報を手動転記であることが多い

上記のことから、ダッシュボードが必要とされる理由は、データを素早く見て素早く判断する必要があるシーンがどのような領域でも多くなってきたことがあるでしょう。

定時レポート出力

決まった時間に定期的にレポートを生成するものです。

ドリルダウン分析

一年から四半期、四半期から月次、など粒度の階層を下げてデータを見ていくことをドリルダウン分析と言います。一般的なダッシュボードは、このドリルダウンが可能になります。

 

コネクター機能

例えば以下のようなデータプラットフォームと接続が可能です。これにより、データ分析や可視化が立体的に実現できます。

  • Google Analytics
  • Salesforce
  • MAツール
  • Excel
  • Googleスプレッドシート
  • Python
  • R

シミュレーションや予測

データから得られた情報をもとに論理的に予測し、予算編成や業績の予想などに役立てられます。


3.ダッシュボード構築・導入・運用を行うことで得られる5つの大きな効果

レポートや報告書でこれまでやってきたものの、それらをダッシュボード化しようと考える企業は以下のような効果を見込むことが多いです。

3-1.自社のKPI(経営指標)の議論において認識の齟齬が生まれづらくなり、生産性が上がる

会社の重要な指標である「売上」一つとっても、誰がいつどのデータを見たのかによって数字は異なりますし、各部署では「売上」の定義が異なることも多いです。そのため会議で議論を収拾するのは比較的大変です。

これを解決するのがダッシュボードです。

ダッシュボードには、同じ定義・同じタイミングの数字での会議・議論を実現できる価値があります。

3-2.データをリアルタイムに見て理解できる

レポートではなく「ダッシュボード」という言葉を使うとき、そこにはデータがリアルタイムに可視化されていることが暗黙的に含まれています。

この「リアルタイム」というのはどの程度、という疑問もあるでしょう。この問いに対しては、一般的には日次、スピードの早い商材を扱っている場合やデータによっては分次、時間単位のこともあります。

データの鮮度の観点で要件を整理する必要があります。つまり、課題に対して適切な更新頻度を定義する必要があるということです。

3-3.情報を一元的に把握可能にする

会社経営自体は多くの機能・部署が連携しています。

例えば、「製造業」と言っても、品質管理、商品管理、IT部、人事部、カスタマーセンターなど機能は多岐に渡ります。それらの数ある部署や機能のKPIとなる重要指標を一元的に管理し経営視点のビューで把握・モニタリング出来るようにしているのがダッシュボードです。

3-4.他者と共有できる

ダッシュボードは、他者とデータや示唆を共有することに大きな価値があります。データやデータから生み出された発見を、即座に他者と共有できるようになります。

3-5.仕組み化・システム化によるレポート作業工数の大幅な削減

「ダッシュボード」という時、従来のExcelによる手入力レポートを置き換えたいという動機で構築されようという場合も多いです。

手入力・手打ち・コピペで毎日、毎月作成していた手間が一気に省け、属人性も排除でき、生産性を大幅にアップできるものです。


4.ダッシュボード構築の前提となるBIツールとその選び方

ダッシュボードは、多くの場合、普段馴染みのあるマイクロソフト製品ではなく、BIツール(BIプラットフォーム)と呼ばれるツールを使用して構築することが多いです。これらで作り上げたシステムをBIシステムと言います。

BIツール(BIプラットフォーム)は既存システムとの相性やデータとの相性もあり、また細部への技術的チューニングが必要になりますので、

  • 競合企業も入れているから入れる
  • 競合企業が入れているベンダーのものを入れる

のように安易に選択しないことが重要です。

モダンなBIツールの種類やそれらの選び方は、以下の記事に詳細を公開しています。是非参考にされて下さい。

私が実業務で使用した人気BIツール7種を機能面で比較してみた結果

また、無料のものもあります。BIシステムを構築する際にはその後の運用や保守の観点も考え抜き、ライセンスは無料だが内部コストが膨大になりうまく活用できないという事態にならないように注意しましょう。

【徹底比較】私が最もオススメする無料BIツールとその理由を解説


5.ダッシュボードを導入する際の注意点と対応策

多くのメリットや役割のあるダッシュボードですが、そんなダッシュボードにも導入の際の注意点があります。それらを対応策とともに解説します。

5-1.導入(作成)後放置されないよう運用体制を整備する

ダッシュボードは作成・構築の最中は誰しもが頑張るのですが、その後の運用が出来なければ形骸化してしまうことも多いものです。

作られたダッシュボードが放置されないためには大きく分けて二つのポイントが必要です。

  • 純粋にモノをアップデートしていく
  • モノを使ってもらえるようにしていく

純粋にモノをアップデートするとは、例えばダッシュボードの改修、新たなデータへの接続、環境や組織の変化による新たな情報設計です。2点目の使ってもらえるようにしていくとは、使い方の説明会や継続的なフォローアップ機会の構築です。

以下のような内容を知っていると、そのような機会の際にスムーズです。

ダッシュボードデザインにおける重要ポイント3点【レイアウト編】

    これらはテクニカルで専門的な経験や知識を要することが多く、経験のある人でチームや体制を整備するかコンサルティング会社が支援をしていない状態ですと「使いこなせずよくわからなくて放置される」という状態になりがちです。事前にどの部署/人が何を担当するのかを調整しましょう。

    こちらのポイントに関しては、以下のDXの記事にも詳細とを記載しています。

    デジタルトランスフォーメーションの講演を200回以上やってきた私が受けたよくある19の質問に回答します

    5-2.変化することを恐れず、むしろ変化前提で変化に強く構築する

    ダッシュボードを作成すると、様々に載せたい数字や見たい軸が出てきます。

    しかし、組織の成長や部署、プロジェクトの進捗とともに、ダッシュボードは変わりゆくものです。見る指標も変わっていきます。今全てを完璧に決めなければいけないと考え思考や企画に時間をかけるより、ざっくりでも具体的なものを作成し始めた方が良いアイデアも湧き、組織内での意見も活発に出てくるものです。

    昨今の分析ツールや可視化ツールは変更にも強く、非常に柔軟です。ですので、頭を唸らせて全てを決定してから何かを行うという発想よりも、「とりあえず作ってみる」というのがお得になることが多いです。

    ご参考までに、こちらのポイントは拙著『データ視覚化のデザイン』にも掲載しています。


    まとめ

    ダッシュボードを使って様々な指標を多角的に見ることができるようになります。

    重要なのは自社のビジネスや規模感に適切なツールを選択し、賢く運用していくことです。ダッシュボードの数字自体に意味はなく、その数字が何を意味しているのかを考えることが非常に重要です。

    さらに次のステップとして『データ視覚化/ダッシュボードデザインを成功させるための95のチェックリスト』を読んでいただけるとダッシュボードを使用するイメージが具体化されると思います。具体的なイメージを沸かせ、実践することで活用の道が切り開かれます。

    是非、挑戦してみてください!

    データ視覚化/ダッシュボードデザインを成功させるための95のチェックリスト

     

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