情報を視覚的に素早くキャッチできる「ダッシュボード」とは?

「ダッシュボード」と言われると、飛行機や車に搭載されているガソリン量やスピードが一目で見られるダッシュボードがすぐに頭に浮かぶでしょう。このダッシュボードがあって、パイロットや運転手がすぐに状態を把握でき細かな判断ができます。

▼乗りもののスピード等を見る”ダッシュボード”

この「ダッシュボード」は、車のダッシュボードと同様に明確な指標を一目瞭然な形で伝えるという意味で同じです。運転手や飛行機のコックピットと同様に、組織で使う経営ダッシュボードは何が今起きているのかを時々刻々で把握する必要があります。

▼判断に使う”ダッシュボード”

ダッシュボードがあって初めて戦術的な決定ができ、事実やデータに基づいた戦略的決断ができるものです。そこで本記事では、経営で活用するダッシュボードの重要性と作成時のコツについて解説します。

すぐに具体的なテクニックを知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

ダッシュボードとは何かを理解している方にはこちらもおすすめ
ダッシュボードの基礎を知っていて、具体的なテクニック、戦術部分を知りたい方には以前公開したこちらのチェックリストがおすすめです。

1.ダッシュボードをダッシュボード足らしめる条件

ここでは、ダッシュボードの特徴を解説します。一般的にBIツールで使用することが多いダッシュボードですが、イメージとしては丁度下記のようなものが代表的です。

▼「ダッシュボード」イメージ1(会社の利益のモニタリング)

▼「ダッシュボード」イメージ2(会社の売り上げ、コストなどを一つのビュー内で把握)

 

1-1.視覚的に理解しやすい形でKPI(重要な経営指標)をモニタリング可能

経営ダッシュボードとはKPI(Key Performance Indicator:経営における重要指標)を視覚的に理解しやすくするものです。棒グラフや線グラフなどに代表されるグラフ形式を使い、直感的に把握することを大きな目的とします。ここには、データ可視化の力が使われています。

データ可視化(データビジュアライゼーション)の詳細はこちらにもまとめているのでご参考にしてください。

データビジュアライゼーションとは何か?事例・定義・重要性をわかりやすく解説

1-2.データをリアルタイムに見られるようにする

レポートではなく「ダッシュボード」という言葉を使うとき、そこにはデータがリアルタイムに可視化されていることが暗黙的に含まれています。

このリアルタイムというのはどの程度、という疑問もあるでしょう。この問いに対しては、データの鮮度の観点で要件を整理する必要があります。つまり、課題に対して適切な更新頻度を定義する必要があるということです。

また、ダッシュボードは、通常ExcelやPowerPointなどへの手動転記ではなく、データベースから必要なデータが自動的に更新されることが前提であり、そのためBIツールが使われることがほとんどです。

参考:『私が実業務で使用した人気BIツール7種を機能面で比較してみた結果』
参考:『【徹底比較】私が最もオススメする無料BIツールとその理由を解説』

1-3.組織横断で情報を統合・融合可能にする

会社経営自体は多くの機能・部署が連携しています。

例えば、「製造業」と言っても、品質管理、商品管理、IT部、人事部、カスタマーセンターなど機能は多岐に渡ります。それらの数ある部署や機能のKPIとなる重要指標を一元的に管理し経営視点のビューで把握・モニタリング出来るようにしているのがダッシュボードです。

全ての部署のデータが更新され多くの見方で見るために、経営のためのダッシュボードが必要になります。

1-4.他者と共有することを目的とする

何を高度というかにはよりますが、ダッシュボードは高度な分析よりも他者と共有することを目的とします。

もちろん、ダッシュボードにより分析を行うことも可能ではありますが、主目的としては同じ定義・同じタイミングの数字での会議・議論を実現できる価値があります。

1-5.仕組み化・システム化による工数の大幅な削減

「ダッシュボード」という時、従来のExcelによる手入力レポートを置き換えたいという動機で構築されようという場合も多いです。

手入力・手打ちで毎日、毎月作成していた手間が一気に省け、属人性も排除でき、生産性を大幅にアップできるものです。


2.ダッシュボードを導入する際の注意点と対応策

多くのメリットや役割のあるダッシュボードですが、そんなダッシュボードにも導入の際の注意点があります。それらを対応策とともに解説します。

2-1.導入(作成)後放置されないよう運用体制を整備する

ダッシュボードは作成・構築の最中は誰しもが頑張るのですが、その後の運用が出来なければ形骸化してしまうことも多いものです。

作られたダッシュボードが放置されないためには大きく分けて二つのポイントが必要です。

  • 純粋にモノをアップデートしていく
  • モノを使ってもらえるようにしていく

純粋にモノをアップデートするとは、例えばダッシュボードの改修、新たなデータへの接続、環境や組織の変化による新たな情報設計です。2点目の使ってもらえるようにしていくとは、使い方の説明会や継続的なフォローアップ機会の構築です。

    これらはテクニカルで専門的な経験や知識を要することが多く、経験のある人でチームや体制を整備するかコンサルティング会社が支援をしていない状態ですと「使いこなせずよくわからなくて放置される」という状態になりがちです。事前にどの部署/人が何を担当するのかを調整しましょう。

    2-2.変化することを恐れず、むしろ変化前提で変化に強く構築する

    ダッシュボードを作成すると、様々に載せたい数字や見たい軸が出てきます。

    しかし、組織の成長や部署、プロジェクトの進捗とともに、ダッシュボードは変わりゆくものです。見る指標も変わっていきます。今全てを完璧に決めなければいけないと考え思考や企画に時間をかけるより、ざっくりでも具体的なものを作成し始めた方が良いアイデアも湧き、組織内での意見も活発に出てくるものです。

    昨今の分析ツールや可視化ツールは変更にも強く、非常に柔軟です。ですので、頭を唸らせて全てを決定してから何かを行うという発想よりも、「とりあえず作ってみる」というのがお得になることが多いです。

    ご参考までに、こちらのポイントは拙著『データ視覚化のデザイン』にも掲載しています。


    3.ダッシュボードに掲載する指標の考え方

    ダッシュボードがどのようなものかわかっても、ダッシュボード上にどのような情報や数字を載せるべきか、どう考えれば良いか最初の一歩がわからない、という方も多いでしょう。

    この選び方や指標の作り方は企業やビジネスモデル、組織によって本当に様々ですし、そのKPI設計手法には様々ありますが、最低限おさえておくべきステップとしては以下を軸に考えるとわかりやすいです。

    3-1.業務プロセスを分析し、意思決定とつなげる

    業務内容や価値を今一度レビューし、ビジネスプロセスを分析します。

    最終的に顧客価値やビジネスに関連しないプロセスのKPIを設定すると、当たり前なのですが意思決定に使えないダッシュボードを作ってしまうので、この検証や分析は非常に重要です。これは言うは易し行うは難しのポイントです。ダッシュボード作成に夢中になると、本当に大事なことは案外忘れがちになるものです。

    ダッシュボード自体は意思決定に使われるものであり、そもそもWHATの定義を決め、可視化をし、分析の実装まで一連のプロセスがあります。この部分は、プロや専門家がいないと現実的には難しいところです。

    3-2.チーム全員が理解できる、計測が容易でシンプルな数字を使う

    KPIは計測が容易でシンプルな指標、数字にします。当たり前と言えば当たり前なのですが、意外にこれができていないことは多く部署で様々な議論を引き起こすものです。

    瞬時に数字を把握するためにダッシュボードを作ったにも関わらず、組織で誤読される余地がある指標を入れ込むと本末転倒になってしまいます。

    3-3.バランスドスコアカード(BSC)がKPI設計に有用

    「KPI(指標)をのせる」といっても、どのようにKPIを設計すれば良いのか、どのような指標を掲載すべきなのかわからないかもしれません。そんなときに有用なのがバランスドスコアカードの考え方です。

    詳細は割愛しますが、以下の4つの視点で指標やKPIを設計していきます。

    • 財務の視点:株主や従業員などの利害関係者の期待にこたえるため、企業業績として財務的に成功するためにどのように行動すべきかの指標を設定する。
    • 顧客の視点:企業のビジョンを達成するために、顧客に対してどのように行動すべきかの指標を設定する。
    • 業務プロセスの視点:財務的目標の達成や顧客満足度を向上させるために、優れた業務プロセスを構築するための指標を設定する。
    • 学習と成長の視点:企業のビジョンを達成するために組織や個人として、どのように変化(改善)し能力向上を図るかの指標を設定する。

    参考:Wikipedia『バランストスコアカード』

    BSCの考え方に関してはこちらの書籍も参考になるのでおすすめです。


    4.ダッシュボード作成におすすめのBIツール

    それではダッシュボードはどのように作成・構築すれば良いのか?が気になるところですよね。

    おそらく多くの人にとって最も身近であるExcelでもできないことはありませんが、昨今のデータ量を活用することとその操作の柔軟性からBIツールを選択するケースが一般的です。

    以下、ダッシュボードを作成・構築する際の代表的なBIツールのご紹介、機能比較です。

    4-1. すぐに分析を始められる「Power BI」

    公式Youtubeチャンネルから拝借)

    120種類のデータソースに接続できる

    Excel、テキストファイル、各データベースなどのオンプレミスから、AzureGCPIBMなどのクラウドまで約120種類のデータに接続できます。

    Excelベースの分かりやすいインターフェース

    誰もが使い慣れているExcelと同じインターフェースです。そのため、新しく何かを始める時によく起こる「どこに、なにがあるのか分からない」という状況には陥りません。

    操作が簡単

    基本操作はドラッグ&ドロップとクリックのため、簡単です。

    ビジュアライゼーションの表現力は高い

    Power BIは、他のBIツールと比べると、ビジュアライズできるチャートが多いです。なぜなら、既存で用意されているチャートタイプに加えて、拡張機能としてインポートできるチャートタイプ(カスタムビジュアルと呼ばれる)が存在するからです。

    画面設計が決まっている分析に強い

    Power BIは、探索的分析よりは、型やフォーマットが決まっている定型レポートのように、画面設計が決まっているものを作成する場合に適しているツールです。なぜなら、Power BIには探索的に分析する機能が少なく、「なぜ、もしかしたら」と探索的に分析をする際は、DAXと呼ばれる関数を駆使しなければ実現できないからです。

    デスクトップアプリケーションはMac OSでは使えない

    Power BIのデスクトップアプリケーションは、Mac OSでは使えません。Windows OSでのみ動作するアプリケーションです。Macを使う方にはクリティカルなポイントになります。

    Power BI Desktop は無償ですぐに使える

    Power BI Desktop(Power BIには無償版のPower BI Desktopと、有償版のPower BI Pro・Power BI Premiumの3製品があります)は、いつ、誰でも、無償(ただし、Windows OSのPCのみ)で使うことができます。こちらからダウンロードしてインストールするだけで、5分後には分析を開始できます。

    Power BI Desktop はデータ量、接続データ、共有範囲に制限がある

    Power BI Desktopは、無償で使える反面、以下の制限があります。

    • 容量が1GBまでしか使えない
    • オンプレミス上の各データベースに接続できない
    • 自身が作成したレポートを他ユーザーに共有できない

    これらを制限なく利用する場合には、有償版の「Power BI Pro / Power BI Premium」を使う必要があります。Power BIは無料で使えるツールだと思われている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、目的によっては有償版でなければ実現できないケースもありますので、注意が必要です。

    4-2. 高機能で多彩なビジュアル表現ができる「Tableau」

    公式Youtubeチャンネルから拝借)

    100種類のデータソースに接続できる

    Excel、テキストファイル、各データベースなどのオンプレミスから、AWSGCPAlibabaなどのクラウドまで約100種類のデータに接続できます。

    シンプル設計の分かりやすいインターフェース

    レイアウトや各画面項目がシンプルに設計されており、画面を見ただけでなにをどう操作すれば良いか直感的に分かるインターフェースです。

    操作が簡単

    基本操作はドラッグ&ドロップとクリックのため、簡単です。

    ビジュアライゼーションの表現力は BIツール No.1

    チャートタイプに制限はありません。色鮮やかに表現でき、自身が表現したいビジュアライズは技術さえあればほぼ実現できるでしょう。

    Tableauの表現力の高さを理解できる ”Viz of the Day”というサイトをご紹介します。こちらでは、世界中のTableauユーザーが作成したダッシュボードの中から、表現力に優れたダッシュボードが毎日一つずつ紹介されています。他のBIツールと比べ、表現の多様性があることが分かると思います。

    画面設計が決まっている分析 & 探索的分析どちらにも強い

    型やフォーマットが決まっている定型レポートのように、画面設計が決まっているものを作成する場合や、スピード感を持って、なぜ、もしかしたらと探索的に分析(非定型分析)を行うどちらの場合にも適しているツールです。

    Tableauは、細部に拘れる高い表現力(細かく設定できる書式設定など)があるため、UI/UXを突き詰めた定形レポートが作成できます。また、クリック操作だけで簡単にドリルダウン・ドリルアップもできるので、探索的分析を行うための優れた操作性も兼ね備えています。

    外部連携できるツールが豊富

    拡張性も高く、AIプラットフォームで有名なDataRobotや、サードパーティのアプリケーション(自身で作成も可)などとの外部連携ができます。R連携(Rserverと呼ばれる)や、Python連携(Tabpyと呼ばれる)、API連携(JavaScript/REST)も可能としているため、Tableau単体ではできない分析も他アプリケーション・ツールと連携して実現することが可能です。

    他のBIツールと比べ、ライセンス費用が高め

    Tableauは、機能の網羅性・やりたいことの実現性は高いですが、他のBIツールと比べてライセンス費用が高めです。

    4-3. ガバナンス機能が強固な「Looker」

    公式Youtubeチャンネルから拝借)

    50種類のデータソースに接続できる

    オンプレミスの各データベースと、AWSGCPAzureIBMなど幅広いクラウド約50種類のデータに接続できます。

    他のBIツールとは異なるインターフェース

    Lookerは他のBIツールとは異なり、BrowseExploreDevelopと画面タブが複数あり、それぞれの画面も他のBIツールと構成が異なります。

    基本操作はドラッグ&ドロップではなくクリックと手入力

    他のBIツールと比べ、基本操作がドラッグ&ドロップではありません。クリックや手入力(フィルター操作やモデリング時)で操作をしていくツールです。

    ビジュアライゼーション機能は少なめ

    Lookerは他のBIツールと比べるとデフォルトで用意されているチャートタイプが少なく、レイアウト、色、線など細部のデザインに拘る機能も少ないです。

    画面設計が決まっている分析に強い

    型やフォーマットが決まっている定型レポートのように、画面設計が決まっているものを作成する場合に適しているツールです。スピード感を持って、なぜ、もしかしたらと探索的に分析(非定型分析)を行う場面には適していません。

    なぜなら、Lookerは、フィルター操作や、ドリルダウン操作に手入力を要することがあるため、探索的分析を行うには時間がかかってしまうためです。

    データの指標や定義を一元管理できる

    データに接続すると、LookMLという独自のモデリング言語により、データが「切り口(ディメンション)」と「指標(メジャー)」に自動で定義されます。例えば以下のようなイメージです。

    切り口 :「国、都道府県」

     指標 :「売上、利益」

    はじめは、”切り口”と”指標”が自動的に定義されますが、この定義は自由にカスタムすることができます。そのため、あらかじめデータの定義を確定させてから分析をスタートできます。例えば以下のようなイメージです。

    • 日本だけのデータなので、切り口の「国」は削除
    • 利益/売上の利益率も分析したいため、指標に「利益率」を追加

    このように、データの指標や定義を一元管理でき、分析結果などデータの一貫性を担保できるのがLookerの最大の特徴です。よりイメージしやすくするために例をあげますが、Lookerをうまく活用できれば、社内で陥りがちの以下のような状態を避けられるかもしれません。

    • 社内にダッシュボードやレポートが氾濫していて、データや指標の定義がバラバラである
    • 誰が、どんな背景で、どう作ったのか分からない指標がたくさんありメンテナンスができない

      セキュリティ上、安全に分析できる

      Lookerは、データを保存するためのストレージ領域を持たず、データベースに直接アクセスして分析を行います。そのため、Looker内にデータが残ることがなく、セキュリティ上安全に分析できます。ただし、パフォーマンスはデータベースサーバのスペックに依存するため、分析に耐えうる強固なスペックを必要とします。

      ローカルファイルは取り込めない

      Lookerはデータを保存するためのストレージ領域を持ちません。これは、Lookerにはローカルファイルを取り込めないということを意味します。必ず何らかのデータベースにデータを入れないと分析をスタートできないのです。そのため、多くのユーザーが思うであろう「試しに手元(ローカルPC)にあるCSVやEXCELなどのファイルを読み込ませて分析してみよう」という要望には応えられません。

      Lookerはエンジニア向けのBIツール

      Lookerは、SQLから避けて通ることができません。データ定義を行うモデリング言語は、SQLや、プログラミングの経験がないと扱うことが難しいからです。

      他のBIツールでは画面上の操作を、画面の見えない裏側で自動的にSQLに変換し処理をしています。そのため、SQLを書いたりせずとも操作ができ、エンジニアがいなくても扱うことができています。しかし、Lookerは、モデリング言語を定義する上で必ずSQLの知識を必要とするため、必ずエンジニアの方が必須となります。

      Git連携でバージョン管理ができるたりすることからも、エンジニア向けのツールと言えます。

      データ加工、ETLツールとして使うのが最適

      LookerはBIツールという位置づけとなっていますが、データの指標や定義を一元管理という点から考えてもデータ基盤、ガバナンスに注力しているツールです。そのため、ビジュアライズ化して分析という用途より、データ加工、ETLツール(プラットフォーム)として使うのが最適です。

      4-4. データの統合が簡単に行える「Qlik Sense」

      公式Youtubeチャンネルから拝借)

      60種類のデータソースに接続できる

      Excel、テキストファイル、各データベースなどのオンプレミスから、Azure、GCP、IBMなどのクラウドまで約60種類のデータに接続できます。

      シンプル設計の分かりやすいインターフェース

      レイアウトや各画面項目がシンプルに設計されており、画面を見ただけでなにをどう操作すれば良いか直感的に分かるインターフェースです。

      操作が簡単

      基本操作はドラッグ&ドロップとクリックのため、簡単です。

      ビジュアライゼーションの表現力は高い

      Qlikは、他のBIツールと比べると、ビジュアライズできるチャートが多いです。なぜなら、既存で用意されているチャートタイプに加え、ビジュアライゼーションを構成する部品を新たにインポートできる拡張機能があるからです。この拡張機能を用いることでSVG画像に色付けが行えたり、JavaScriptライブラリであるD3チャートを描画することができます。

      複数データ間の関連付け(正規化)を自動で行う

      Qlikには「連想技術」と呼ばれる機能があります。これは他のBIツールにはない特許技術であり、Qlikの最大の特徴と言ってもいいでしょう。

      連想技術とは、様々なデータを取り込んだ際、取り込んだ全データの関連付け(正規化)を自動的に行う機能です。データ内の重複削除、集計を行いながら異なるデータソースを自動で統合します。そのため、データベースに不慣れな人でも、正規化やSQLなど難しいことを考えることなく分析が行えます。データが自動で統合されることで、結合・ユニオン操作によるミスなどが発生せず、データの欠落も防ぐことができます。

      データの探索に有効

      Qlikは、データ探索にも優れています。データ一覧を参照する画面で、自身が気になったデータをクリックすると、クリックされた項目は緑色、その項目に関連ある項目は白色、関連のない項目は灰色にハイライトされて振り分けられます。

      例えば、以下画像のように、商品マスタの商品Cという項目をクリックすれば、商品Cがグリーン色になり、この商品Cに関連しているデータが白色、関連しないデータが灰色でハイライトされます。このことから、商品Cが購入された都道府県は「東京、神奈川、大阪」、購入されなかった都道府県は「北海道、千葉、愛知」というのがすぐに理解できます。このように、関連のある項目と関連のない項目を同時に視覚的に把握することができるため、データ探索にも向いているツールだと言えます。

      引用元:https://www.qlikspace.net/

      完全インメモリ処理で高速に分析ができる(パフォーマンスが高い)

      Qlikは、分析に必要なデータを全てQlik上に取り込みます。その際、取り込んだデータを何十倍にも圧縮してメモリ上に展開するため、非常に高速に分析することができます。

      そのため、スピード感を持って、なぜ、もしかしたらと探索的に分析(非定型分析)を複雑に行う場合であっても、思考のスピードを妨げない高パフォーマンスで分析を行うことができます。型やフォーマットが決まっている定型レポートのように、画面設計が決まっているものを作成する場合にも適しているツールです。

      完全インメモリ処理に対応できるメモリリソースが必要

      Qlikは完全インメモリ処理で高速に分析を行うことができます。しかし、分析に使用しているデータ量分メモリを消費しますので、十分なメモリリソースの確保が必要です。

      私の実務経験上、最低16GBのメモリがあれば、1億件のデータを3秒前後で処理できていたので、パフォーマンスがボトルネックになることはほとんどありませんでした。しかし、メモリが8GBであったり、データが10億件のビッグデータになるようでしたらパフォーマンスが劣化する可能性は十分にあり得ます。

      4-5. モバイル機能が充実している「MicroStrategy」

      公式Youtubeチャンネルから拝借)

      90種類のデータソースに接続できる

      オンプレミスの各データベースと、AWSGCPIBMなどのクラウド約90種類のデータに接続できます。

      シンプル設計の分かりやすいインターフェース

      レイアウトや各画面項目がシンプルに設計されており、画面を見ただけでなにをどう操作すれば良いか直感的に分かるインターフェースです。

      操作が簡単

      基本操作はドラッグ&ドロップとクリックのため、簡単です。

      ビジュアライゼーションの表現力は高い

      MicroStrategyは、他のBIツールと比べると、ビジュアライズできるチャートが多いです。なぜなら、MicroStrategyには、D3呼ばれる多彩なグラフを描画できるJavaScriptライブラリを統合することができ、デフォルトで用意されているチャートタイプに加えて、D3を使ったビジュアライゼーションが可能になるからです。

      高速に分析ができる(パフォーマンスが高い)

      MicroStrategyは、パフォーマンスに力を入れており、画面上でユーザーが操作する度、画面の裏側で常に最適なSQL文を自動生成して処理をしています。

      そのため、スピード感を持って、なぜ、もしかしたらと探索的に分析(非定型分析)を複雑に行う場合であっても、思考のスピードを妨げない高パフォーマンスで分析を行うことができます。型やフォーマットが決まっている定型レポートのように、画面設計が決まっているものを作成する場合にも適しているツールです。

      モバイル端末を使った活用/運用に強い

      MicroStrategyは、モバイル機能が非常に充実しています。他のBIツールと比べても、モバイルのUIはシンプルで分かりやすく、操作性も高いです。スマートフォンやタブレットへのグラフのレンダリングも高速且つ、綺麗ですので、いつ、どこで、誰でもモバイル端末から即時アクセスをして、スピーディーにインサイトを得ることができます。

      カスタム開発も可能としており、iOSおよびAndroid向けSDKを使い、アプリの機能を自身で拡張することができます。具体的な例としては、XCodeやJavaScriptを使用してトランザクションを記録できるようにするなどです。

      統計解析ができる

      MicroStrategyには、R統合パックが用意されており、R統合パックをインストールするだけでRを使用することができます。Rを用いることで、未来予測はもちろん、クラスタリング分析、ペアワイズ相関分析などの統計解析が行えます。

      4-6. 豊富な予測分析が行える「SAS」

      公式Youtubeチャンネルから拝借)

      30種類のデータソースに接続できる

      Excel、テキストファイル、各データベースなどのオンプレミスからTwitterFacebookなどのソーシャルまで約30種類のデータに接続できます。

      シンプル設計のわかりやすいインターフェース

      レイアウトや各画面項目がシンプルに設計されており、画面を見ただけでなにをどう操作すれば良いか分かるインターフェースです。

      操作が簡単

      基本操作はドラッグ&ドロップとクリックのため、簡単です。

      ビジュアライゼーション機能は少なめ

      SASは他のBIツールと比べるとデフォルトで用意されているチャートタイプが少なく、レイアウト、色、線など細部のデザインに拘る機能も少ないです。

      予測分析や特殊な分析に強い

      SASは、予測分析、統計解析をはじめ、標準機能で簡単にネットワーク図が描くことができたり、SAS上でSNS(Twitter・Facebook)のアカウント情報を入力するだけでTwitter・Facebookデータを直接参照して分析ができたりと、他ツールでは実現が難しいことを簡単にできるというところに強みがあります。

      具体的な予測分析としては、信頼区間を含むリアルタイムの時系列予測、予測にどのような影響が及ぶかを把握していくシナリオ分析などが挙げられます。予測対象に対し、最適な予測アルゴリズムが自動的に選択される機能があるのも特徴の一つです。

      統計解析が簡単にできる

      SASには統計解析機能が統合されているため、SASのツール単体で統計解析が簡単に行えます。具体的な統計解析としては、データマイニング手法の決定木を活用し、データに隠れていたパターンをツリー構造として可視化できたりなどです。

      4-7. スピーディーな意思決定を支える「Domo」

      公式Youtubeチャンネルから拝借)

      80種類のデータソースに接続できる

      Excel、テキストファイル、各データベースなどのオンプレミスから、AWSなどのクラウド、TwitterFacebookなどのソーシャルまで約80種類のデータに接続できます。

      操作が簡単

      基本操作はドラッグ&ドロップ、クリックで、簡単です。

      ビジュアライゼーションの表現力は高い

      他のBIツールと比べると、デフォルトで用意されているチャートタイプが多いです。Tableauほどではありませんが、鮮色も綺麗で、レイアウト、色、線など細かいデザインを作成できる機能も備わっています。

      画面設計が決まっている分析に強い

      Domoは、探索的分析よりは、型やフォーマットが決まっている定型レポートのように、画面設計が決まっているものを作成する場合に適しているツールです。なぜなら、Domoは、製品の思想として、「経営者が迅速に意思決定を行えるように」というコンセプトで開発がされています。そのため、データを一目で理解できることを目的としており、探索的分析の機能には注力していないからです。

      インサイトを素早く共有できる

      Domoには、共同作業ができるコラボレーション機能、アラート機能、メール通知機能なども備わっています。そのため、あるデータに関して問題に気づいたら、これらの機能を使い、それをすぐさま関係者に共有して、チャットでディスカッションを始めることができ、スピーディーにインサイトを共有することができます。

       


      まとめ

      ダッシュボードを使って様々な指標を多角的に見ることができるようになります。

      重要なのは自社のビジネスや規模感に適切なツールを選択し、賢く運用していくことです。ダッシュボードの数字自体に意味はなく、その数字が何を意味しているのかを考えることが非常に重要です。

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