株式会社ユーザベース様|データ分析基盤構築とデータカルチャーの融合で更なる競争力獲得を目指す

株式会社ユーザベース様(以下ユーザベース)は、多種多様なサービスを提供する、今日の日本の情報関連企業の中で大きな存在感を示す企業です。

代表的なサービスには、例えば以下のようなものがあります。

  • ソーシャル経済メディアのNewsPicks
  • 経済情報プラットフォームのSPEEDA
  • BtoB事業向け顧客戦略プラットフォームのFORCAS

ユーザベースは、全社的に強固なデータ基盤構築とデータ活用カルチャーの醸成に取り組んでいます。

今回は、ユーザベースのデータにおける思想について、株式会社ユーザベース 経営基盤担当 執行役員の張替誠司様に、データビズラボ代表永田、同社執行役員・柏の2名よりインタビューさせて頂きました。

ユーザベースのデータ活用推進の3つの視点

ユーザベースはアジャイル経営の方針のもと、企業向け、一般消費者向け問わず様々なプロダクト・サービスを展開しています。

参考URL:https://jp.ub-speeda.com/agile-management/01/

【データビズラボ】ユーザベースのデータ活用の戦略はどのようなものですか?

A.社員全員が「顧客を起点にして臨機応変に変化していく」ために、特に以下の3つのポイントを重要視しています。

  • サイロ化されていない、過不足のないデータ収集
  • 一つのデータの様々な領域でのユースケース確立
  • 全社員による自律的な分析

を目指しています。

データ活用普及活動の一環として、1000人以上が参加する全社会議でデータ活用のビジョン共有をしています。また、社員からのデータ活用の課題のヒアリングやデータ活用を促進する組織の構築・事業ごとのデータ基盤の統合などを進めていいます。

これまで認識されていた課題は事業間のシナジー

【データビズラボ】ユーザベースでのデータ活用における課題はなんでしたか?

A.事業間、複数事業を掛け合わせたデータ活用です。

これまで、データ活用の度合い、データ分析基盤のレベルも事業ごとに進化はしてきました。しかしながら、事業間をまたがるようなデータ分析や可視化は行われていませんでした。

その状況を打開するため、今は全社レベルにおける経営数値管理や営業のクロスセル・アップセルなどの分析と可視化に着手し始めています。

データカルチャーがなければデータ環境は活かしきれない

【データビズラボ】データ領域のプロジェクトを進める上で大切にしていることはなんですか?

A. データカルチャーの醸成です。大きく3つあり、現場社員がデータ活用の価値を知り、自律的に活用すること、データ活用のネガティブサイクルからの脱却、運用リソースの最小化です。

1つ目の「現場社員がデータ活用の価値を知り、自律的に活用すること」は、データの価値を理解している状況がなければ、データ環境は活かしきれないと考えているためです。その基盤をつくるため、全社会議でのデータ活用ビジョンの共有などに取り組んでいます。将来的には、ハッカソンの開催や人事評価への組み込みなどもしたいと考えています。

2つ目の「データ活用のネガティブサイクルからの脱却」は、「データを活用したことがない→データの価値がわからない→その投資の妥当性も理解できない→データ活用が進まない」というネガティブサイクルから脱却するために、クイックウィンを実現することに注力し、「何かで価値のあるデータ活用に成功→データの価値を実感→投資の妥当性に共感→データ活用が進む」と言うポジティブサイクルでデータ活用をスケールアップしていくことを狙っています。

3つ目の「運用リソースの最小化」については、管理・運用はできるだけ自動化・最適化し、効率化することを目指すものです。例えば、データを使う人が増えると、「データはどこにあるのか?」と言う問い合わせが増えます。それを回避するために、メタデータの整備によって検索性を高めるなどの施策を検討しています。

コンサルティング力と技術力が融合されていることに信頼

【データビズラボ】そのような中で、今回ユースケースの特定に関する支援とPoCをデータビズラボにご依頼いただいた背景はどのようなものでしょうか?

 A.今回は混沌とした課題の整理/ユースケースの定義になるため、フレームワークを使いこなした整理や要件定義などのコンサルティング力の強さと、BIツールでの実装力・技術力のどちらも保有していると思ったからです。

社内でクイックウィンを獲得するために、優先度の高い領域で実際にBIツールを用いたデータ分析・可視化に入ろうと考えていました。そこで、データ分析におけるユースケースの特定と言った事業部門側とデータアナリスト的思考が要されることと、それらを具体的にBIツールで具体化できる技術力をもつ会社を探しており、データビズラボさんを信頼しました。加えて、他社からの推薦もあり、依頼しました。

データビズラボには、主に以下をご支援いただきました。

  • 営業、経営数値、勤怠管理の領域でのデータ分析におけるユースケース定義と言語化
  • PoC/MVPとしての画面設計(モックアップ)
  • 分析・可視化にあたる必要データ定義、テーブル設計
  • 事業部門とのワークショップ、企画とファシリテーション

支援の依頼前には、仮説ベースでしか議論できなかったものの、スピーディに具体化していただくことで、それをもとに具体的に議論を詰めることができました。また、それらユースケースに基づいた可視化の高品質なモックアップまで作成いただけたため、実際のデータ活用イメージを関係者へスムーズに説明することができ、生産性が上がりました。

▼プロジェクト過程の当社のアウトプットの一部

今後の展望

【データビズラボ】これからデータ活用に取り組む企業や今後の展望を教えてください。

まずは、ご支援いただいたユースケースをBIで適用していきます。そこで一定のROIがあれば、また新たな領域に拡大します。

整備したデータ基盤やBIシステムを社員が自律的に活用することは非常に重要です。ですので、今後も前述した社内データイベントなどにも取り組み、カルチャー醸成を進めて参ります。

おわりに

ユーザベースのデータ活用促進の取り組みは、全社員が主体的にデータ活用を行うカルチャー醸成を目標に、クイックウィン獲得の意識を強く持ち推進されています。

それらを担当する張替様がデータ基盤とデータカルチャーまで包括的に重要性を認識していることで、強固で継続的なデータ活用推進体制が可能になっていると強く感じました。

データビズラボでは、データ基盤整備やデータ分析・可視化からデータ活用人材の育成やデータ分析組織の包括的な支援も承っております。ご興味のある方は是非下記リンクからお問い合わせください。

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