【統計検定2級対策】最短2か月で合格するための勉強方法・出題範囲を徹底解説

統計検定2級は、大学基礎科目レベルの統計学の知識の習得とその活用のための理解度を問うために実施されている検定です。そのため高校数学の履修だけでは太刀打ちできない部分が多い試験内容です。

しかしながら、機械学習やデータ分析を行う際に理論的な部分において「統計学」、とりわけ統計検定2級の範囲は必要不可欠になります。

本記事では、データ分析の基盤となる範囲を含む「統計検定2級」の概要および出題範囲だけでなく、「統計検定3級」との勉強時間や問題の比較、さらに最短で合格することを可能にする勉強方法・参考書を紹介します。


1.統計検定2級の概要

数多くある資格や検定の中で、統計検定2級は「普通、やや難しい」部類に入るでしょう。

合格水準は紙媒体で100点中70点以上、オンラインで100点中60点以上

紙媒体受験における合格ラインは、統計検定公式ホームページより100点満点中70点以上と設定されています。一方でオンライン受験における合格ラインは100点満点中60点以上と設定されています。

問題量としては34〜35問程度ですので、最低でも23問以上の正答は必要となります。

試験時間は90分

試験時間は90分です。しかしながらパッと見て判断できるような問題だけでなく、計算量が多い問題が後半に占めているため時間が足りない!となることがあります。そのため、問題に対する時間配分には気をつける必要があります。

電卓は持ち込み、数値表は問題冊子後方部に記載

統計検定2級では、問題を解く際に電卓の使用します。
使用可能な電卓指定に関して、公式ページでは次のように記載されています。

電卓の使用について

〈使用可の電卓〉
・四則演算(+-×÷)や百分率(%)、平方根(√)の計算ができる
・一般電卓又は事務用電卓を1台

〈使用不可の電卓〉
・上記の電卓を超える計算機能を持つ関数電卓やプログラム電電卓機能を持つ携帯端末(タブレットや携帯電話、スマートフォン)
※試験会場では電卓の貸出しは行っていません

また統計検定2級では、推定や検定の問題を解く際に「統計数値表」を使用することになります。こちらは問題冊子の巻末に掲載されているため、準備する必要はありません。

受験方法は紙媒体とオンライン受験の2通り

統計検定2級は紙媒体受験とオンライン受験の2通りの受験方法が存在します。

紙媒体形式の試験

紙媒体形式の受験は、現在年に1回実施されています。受験地は限定されており、年により受験地も異なりますので、受験を決めたら必ず統計検定公式HPを参照しましょう。

オンライン受験

オンライン受験は、全国200カ所に用意されている会場のコンピューターを使って統計検定を受験するシステムとなっています。受験日時や会場も自分の都合や勉強計画に合わせて柔軟に選択することができます。出題出題形式は紙媒体受験と変わりません。

しかしながら、紙媒体受験と異なりオンライン受験の場合、計算用紙2枚と筆記用具が事前に会場の方で用意されているところが大きな相違点です。私物に関しては一切持ち込みが許されません。

また、メモ用紙はスペースがなくなったら交換をお願いすることができますが、その際、手元にあるメモ用紙と引き換えに新しいものが配布されるため、後でメモをみながらの見直しはできません。注意してください。


2.統計検定2級と3級の違い

統計検定2級と3級の相違点としては大きく分けて以下の2点です。

求められる力の違い
・合格に向けて必要となる勉強時間量

上から1つずつ解説を行います。

求められる力の違い

2級

2級で求められる力は主に以下です。

  • 数学1Aと数学2Bの知識(特に数学2Bの微分積分の知識は必須。)
  • 統計用語の理解・暗記を踏まえそれらを活用・応用する力
  • 数学知識を土台とした迅速な計算力

2級では統計用語の理解・暗記を踏まえたうえでの活用、さらには素早く計算することが求められます。また2級は大学教養課程レベルと設定されているため、数学を履修していたのは高校まで、という方は初めて見る・知る知識が多いでしょう。2級では2変数以上のグラフの読み取り、確率計算が出題されるだけでなく、確率分布の読み取り、推測、仮説検定など出題範囲が幅広くなっています。また専門知識を必要とする場面が多く、計算量も3級と比べ各段に増えています。

具体的には、2級では以下のようなキーワードに関する問題が出題されます。

  • 単回帰・重回帰分析

  • 正規分布

  • t分布

  • 有意水準

  • コレログラム

  • 単純無作為抽出

  • 両側検定と片側検定

以上のキーワードに関しても、第5章にて詳しく解説します。

3級

3級では以下の2点が求められます。

  • 数学1Aまでの知識(特にデータ分析の範囲の知識は必須。)

  • 統計用語の理解・暗記する力

上記のように3級では高校数学1Aの範囲で、またそれらを理解・暗記するだけで回答可能なモノが多く出題されます。

合格に向けての勉強時間の目安の違い

学習経験・知識の有無によって必要となる勉強時間は大幅に変わります。
以下では2級、3級分けて解説いたします。

2級

一般的に必要とされる勉強時間はおおよそ50~80時間とされています。
大学の「統計学」など専門科目を履修している場合、40~60時間程度をめどに、高校数学以降の知識はあまりない・初学者である場合、70~100時間必要となるでしょう。

3級

一般的に必要とされる勉強時間はおおよそ20~30時間とされています。
大学の一般教養などで学習した経験がある方なら、過去問を参照し分野の復習をさっとするだけで合格することも可能でしょう。

統計検定3級の勉強時間含め詳しい難易度の解説を知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。

【統計検定3級対策】出題範囲、勉強時間の目安や難易度までわかりやすく解説


3.最短2ヶ月で合格することができる勉強方法

ステップ1:最新の過去問1年分を実際に解く

「敵を知り、己を知れば百戦あやうからず」ということわざにもあるように、自分がどの分野を得意としどの分野を苦手としているのかを把握する必要があります。最新1年分を実際に時間を測り解くことで、自分の現状を知ることができます。

ステップ2:範囲表に照らし合わせて苦手な部分を抽出する

実際に問題を解いてみた後に、統計検定公式HPにて公開されている「出題範囲表」を使って、間違えたところの範囲を確認してみましょう。間違えた問題が出題範囲表のどの項目に該当するのか不明な場合は、出題範囲表の一番右の列の「項目(学習しておくべき用語)」の部分を参照すると良いでしょう。以下にてステップ2の実際の動きを順番を追って解説いたします。

例として、統計検定2級2018年11月を解いて27の問題を間違えてしまった場合は以下のような行動をすると良いです。

①設問文章の中に出題範囲に当てはまるような「キーワード」を見つける
今回の場合「適合度検定」に関連する問題を間違えてしまったことが分かります。
②出題範囲表の項目を参照しながら間違えた分野のところにチェックをつける

出題範囲表より「適合度検定」は、仮説検定に該当するので仮説検定のところにチェックを入れます。

以上2つのフェーズを間違えた問題に対し逐一行うことで、チェックが多くついた部分、つまり自分が間違えやすい分野の可視化につながります。多くチェックがついてしまった分野を中心に学習を進めることで時間の短縮・効率よく学習を進めることができるでしょう。

ステップ3:抽出した分野を中心に、理論を勉強する

ステップ2で抽出した分野を中心に、学び直しを行います。

理論の学び直しにおいて、統計学の時間を活用することをおすすめします。ステップ2において多くの分野にてチェックがついた方は、統計学の時間に掲載されているすべての分野を1回通し、その後特に間違えが多かった分野に戻ると良いでしょう。

逆にステップ2においてチェックがついた分野が限定されている方は、その分野に該当する統計学の時間の章をもう一度参照し、学びなおしをすると良いでしょう。

ステップ4:アウトプットとして過去問を解く

インプットが十分だと感じたら、実際に時間を測って再度過去問に取り組んでみましょう。
過去問に取組後、ステップ2とステップ3を繰り返し苦手分野をつぶして行くと良いでしょう。

~ステップ2からステップ4までの取り組みイメージ~

ステップ5:公式集で基本的な用語や公式の確認

最後の仕上げ、そして最終確認として用語や公式の確認を行いましょう。
用語や公式などの基本事項だけでなく自身が特にわかっていない部分をまとめたノートを作成しても良いでしょう。

ステップ6:7割5分の正答になったら受験

初めて解く過去問にて7割5分以上正解できるようになったら実際に受験してみましょう。


4.統計検定2級合格に向けてのおすすめテキスト・webサイト

知識のインプットを3級と比較して多く必要とされる2級の学習にあたり、以下の本を使うことをおすすめします。

統計検定2級公式問題集

ソース画像を表示

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日本統計学会が公式に出している過去問題集です。

全6回分の問題が掲載されており、解説も書かれています。解説が時々端的にまとめられていることがあるため、理解することが難しいと感じられた方は、併せて「統計学の時間」の過去問解説を使うとよいでしょう。

意味が分かる統計学

Beret science<br> まずはこの一冊から 意味がわかる統計学

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統計検定2級の範囲において、最大の山場となる「推定」「検定」に関して丁寧に記述されています。初学者にとって「?」となりやすい語彙の意味や計算方法に関しても分かりやすく解説を行っています。私も大学の「統計学」の授業の復習として使用していました。

統計学の時間(webサイト)

そもそも、統計知識について全くないから一から勉強しなおしたい、どこから統計知識を理解していないのかすらも分からない、といった方におすすめのwebサイトです。ステップ0からありますが2級合格にはステップ2までの範囲を履修していれば問題ないでしょう。

予備校のノリで学ぶ「大学数学・物理」:【大学数学】推定・検定入門

推定と検定に関して「予備校」の授業を受けている感覚で学ぶことができる動画コンテンツです。推定と検定の分野においてつまずきやすい部分に関して丁寧に解説を行っています。

数多くコンテンツが発信されていますが、以下がこの領域の一例です。

4.2にて紹介した「意味が分かる統計学」と併せて学習を行えば2級の山場である範囲を難なく学習することができるでしょう。


5.統計検定2級の出題範囲

2017年6月~2021年6月までに出題された問題を日本統計学会が公式に発表している出題表にあてはめどの分野が一番出題されたかについて集計したものが以下の表にです。

 

以上の表を基に出題回数が多い順に分野をならべると以下の通りになります。

  • 仮説検定

  • 回帰分析

  • 推定

  • 確率変数

  • 散らばりなどの指標

  • 時系列データの処理

これらのカテゴリを中心に統計検定2級の出題範囲について以下に紹介します。

統計検定3級の出題範囲

基本的に統計検定2級は、統計検定3級・4級の内容は理解している前提で問題が出題されます。

相関図共分散ヒストグラムといった内容は統計2級検定の冒頭パートで出題されることが多いので、理解があやふやな方、しっかり他者に説明できなかったりする場合は復習をすると良いでしょう。まだ、3級を受験していない方は2級の前に3級の受験も併せてお勧めします。

【最頻出】仮説検定

仮説検定についての出題は2級では後半パートにおいて最頻出項目となっています。
基本的に検定は母集団に関するある仮説が統計学的に成立するか否かについて標本のデータを使用し判断する方法です。主な仮説検定の手順は、以下の4ステップとなります。

①仮説を立てる

②仮説を検定するための確率を算出する

③設定した仮説が間違っているとする判断基準(=有意水準)の設定を行う

④判断基準をもとに仮説検証および結論を出す

標本データから母集団の統計量を検証する際、設定する統計量や使用する分布は異なるので注意しましょう。

【最頻出】回帰分析

試験問題の末尾に2~4問程度出題され、エクセルの回帰分析結果を参照して問題に回答する形が多いです。エクセルにて「回帰分析」をよく実行している人にとっては見慣れている図ですが、初見の方は以下の3点の理解・把握が必須となります。

  • 切片と説明変数の係数(Estimatedの行)

  • t値とp値(t valueとPr)

  • 決定係数と自由度調整済み決定係数 (coefficient of determinationとadjusted coefficient of determination)

回帰分析の中でも特に重回帰分析についてもっと知りたいという方は以下の記事も併せてご覧ください。

重回帰分析とは?初心者向けにわかりやすく解説

 

【最頻出】母平均・母分散の推定

推定とは、母集団の平均や分散を既知である標本のデータから統計的に推測することです。推定には「点推定」と「区間推定」があり、点推定の場合1つの値を推測し、区間推定の場合幅をもって値を推測します。
推定のイメージは以下の図のようになっています。

【頻出】確率変数

とびとびに値をとる離散型確率変数、重さや湿度など連続した値をとる連続型確率変数の期待値や分散を算出する計算問題が多く出題されます。期待値と分散のそれぞれの算出方法、それぞれの足し算引き算掛け算の3つの方法を理解しておくことは必須となります。
下の公式をただ暗記するのではなく、どうしてその形になるのか自分の手を実際に動かして、証明を行うとすっきり理解することができるでしょう。

・E(X+Y)=E(X)+E(Y)
・E(X-Y)=E(X)-E(Y)
・E(kX)=kE(X)
・E(kX+A)=kE(X)+A

・V(X)=E(X²)-{E(X)}²
・V(A+B)=V(A)+V(B)+2Cov(A,B)
・V(A-B)=V(A)+V(B)-2Cov(A,B)
・V(kX)=k²V(X)
・V(kX+A)=k²V(X)

【頻出】データの散らばりの指標読み取り

相関図、度数分布表、箱ひげ図などの読み取り問題が多く出題されます。このパートに関しては、量が増えた以外3級の図読み取り問題と難易度は変わりませんのでしっかり点数をとっていくことが肝要となります。

出題例(統計検定2級2018年6月過去問題より)


【頻出】時系列データの処理

単位の異なるデータでも標準偏差を平均で割ることで相対的なばらつきを捉えることができる「変動係数」や価格指数に対する「変化率の算出」、比率や割合で変化するものの平均を求める際に使用する「幾何平均」、元データと時間をずらしたデータとの相関を表したグラフ「コレログラム」、物価を相対的に比較する際に使われる「ラスパイレス指数」と「パーシェ指数」の主に5つが出題されます。

・変動係数
・変化率の算出
・幾何平均
・コレログラム
・ラスパイレス指数・パーシェ指数

変化率出題例(統計検定2級2018年6月より)

コレログラムについてもっと知りたい!という方は併せて以下の記事もご覧ください。

コレログラムとは?データの周期性を掴むグラフをわかりやすく解説


6.まとめ

以下が、本記事の要点まとめです。

統計検定2級対策のまとめ

  • 統計的知識の暗記だけでなくそれを活用する力が求められる
  • レベルは大学教養課程程度であり必須勉強時間は50~80時間が目安
  • 合格のための勉強において過去問使用は絶対
  • 統計検定2級では「推定」「検定」は山場分野

統計検定2級の内容は、今後データ分析・機械学習を行っていく方にとっては必須となるものの一つです。合格率は40%と難易度としては普通に該当する試験の1つではありますが、効率よくかつ一発合格するとなると勉強方法にもコツが必要です。上記の記事内容が皆様の今後の統計検定2級の勉強の指針となれば幸いです。

また、統計検定のみならず今後に発展的な内容を学びたい方には、以下の記事にてデータ分析や可視化領域のおすすめ本を紹介していますので、ぜひご参考にされてください。

データ分析の学習を加速させるおすすめ本32選

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