レガシーシステムとは?放置するリスクと脱却時の5つのポイント

技術/テクノロジーの進化に伴い、多くの企業は既存のレガシーシステムに起因する問題に直面しています。クラウドコンピューティングやデータ統合などの最新の機能やサービスを使えず、ビジネスを鈍化させてしまっているケースが多いものです。

そこで本記事では、レガシーシステムをわかりやすく説明し、その問題点ととるべき対応策を解説します。


1.レガシーシステムとは?

レガシーシステムとは、古い技術が使われているが今も使われ続けているソフトウェア、ハードウェアのことです。個人的な肌感では20−40年前から使い続けているシステムのことを指すことが多いです。過去の技術や仕組みで構築され、メインフレームと呼ばれるもの、それを小型化したオフコン、COBOLなどの言語を使ったアプリケーションのことを総称して呼ぶケースが多いです。

このレガシーシステムは経産省のDXレポートでも、「2025年の崖」として指摘されています。

参考:『経済産業省DXレポート』

このような中でも、多くの企業がレガシーシステムを使い続ける理由としては以下があります。

1-1.多くの企業がレガシーシステムを使い続ける理由

レガシーシステムを使い続ける理由は以下の通り複数あります。

先んじた投資が必要

レガシーシステムを維持し続けること自体にも相当コストがかかるものですが、新しいシステムへのアップグレードは先んじて経済的にも人的リソース的にも投資が必要になり、躊躇してしまうケースが多いです。

不確実なことに対するシンプルな恐怖感

一つの部署だけであってもこれまで使っていたものから変わる、変化する、というのは怖いものです。そのような恐怖感から、社内的な抵抗は自然発生的に出てしまうのが通常です。使い慣れたものからの変化は怖いものです。

技術的な難しさ

レガシーシステム(ソフトウェア・ハードウェア)は文字通り古い技術、プログラミング言語で構築されているため、移行に必要なスキルを持った人材を見つけるのが難しいケースが多いです。

また、システムに関するドキュメントもほとんど整備されていないことが多く、オリジナルの開発者が会社を去っている場合が多いです。レガシーシステムからのデータ移行を計画したり、新システムの要件範囲を定義するだけでも大変な作業になることがあります。 


2.レガシーシステムが引き起こす問題点

レガシーシステムは無数の問題を引き起こすものではありますが、大きく以下でクリティカルな問題があります。

以下詳細を解説します。

    2-1.維持コストが高くつき、しかも多くが将来に積みあがらないものになってしまう

    どのようなシステムでもメンテナンス(維持・運用)が必要ですし、維持コストはかかるものです。しかし、レガシーシステムのメンテナンスには膨大なコストがかかります。

    ポイントは以下です。

    • メンテナンスによってレガシーシステムは維持されるものの、それは将来のために積み上げられるものではなく、現状を維持するのみ
    • 発展・成長のためのコストではないため、貴重なIT人材をレガシーシステムの保守・運用に充てることになる

    小さいバケツの穴ひとつを塞いでも塞いでも水が漏れてしまうように、レガシーシステムは、そのメンテナンスに費用がかかり続けます。

    2-2.データの所在がサイロ化(散在)し、組織の生産性を落とす

    レガシーシステムがあると、かならずデータのサイロ化(会社の様々な場所にデータが散らばっていること)が起きます。

    多くの古いシステムの設計にあたっては、他のシステムやツールとの連携を考慮がされていないことがほとんどです。それらはメインフレームと呼ばれるもので構築され新たなシステムと統合できないものであることがほとんどです。その意味で、それぞれのレガシーシステムが独自のデータサイロを形作っているとも言えます。

    例えば、レガシーシステムを使用している部署は、他の組織で行われているデータ統合は出来ず、あるチームがレガシーシステムを維持していると、他のチームがシステムをアップグレードしても、そのチームは統合システムで作成される知見や洞察を得られない状態になります。

    2-3.コンプライアンス遵守の難しさ

    例えば昨今のGDPRのようなコンプライアンス規制では、企業がどのような顧客データを持っているのか、どこにあるのか、誰がアクセスしているのかを知る(そして証明する)ことが求められます。

    しかしながら古いサイロ化されたレガシーシステムでは(不可能ではないにしても)、そのような対応はるかに困難です。ドキュメントも整備されていないことが多く、構築した人もいないことが多いためです。

    今日の企業は、厳格なコンプライアンス規制を遵守しなければなりません。これらの規制は進化し続けているため、レガシーシステムでは対応できない可能性があります。 

    2-4.新たなシステムへの統合はほぼ不可能

    企業の成長とともに、新しいシステムを加えたり新たなツールと連携していくのは、競争力を維持するために不可避です。しかし、レガシーシステムの古い技術では、新しいシステムとの連携・統合ができないことが多くなり、他の競合企業から明確に遅れをとることになるでしょう。

    システムを連携させるためのプロセス開発は煩雑で、セキュリティリスクを抱えたままになるることも多く、企業内の技術的な成長が望めません。

    2-5.部分最適の繰り返しによる複雑化

    レガシーシステムのまま、無理に新技術を採用したり、ビジネス要件への対応を推進しようとすると、システムにアドオンで開発、部分最適やカスタマイズの繰り返しとなります。

    この積み重ねがレガシーシステムの一層の複雑化を引き起こしており、気づいた時にはもはや手遅れ、といった状態となります。


    3.レガシーシステム刷新のポイントはデータマイグレーション

    レガシーシステムの刷新で最も重要なことは、すでに存在するデータを守ることです。これは、「マイグレーション」を成功させなければ実現できません。マイグレーションとはMigrationで、ざっくりいうとデータを移行(移動)させることです。

    マイグレーションの成功のポイントは以下です。

    3-1.既存のデータの抽出可能性の検証

    既存のレガシーシステムのデータは、以下のような問題があります。その上で、データを移行させられるかを検証していきます。

    • データのサイロ化されている
    • データが分割されている
    • データが重複している
    • データが不完全である。
    • 複数のデータストア、様々なフォーマットで存在している

      レガシーシステムからデータを移行するには、上記をレビュー(把握)し、まずデータを安全に抽出できるかどうかを確認・検証する必要があります。

      3-2.新たなデータ構造に変換する

      データを新システムの要件に合わせて変換するステップです。

      レガシーシステムのデータが、新システムにそのまま綺麗にマッピングされることはほとんどありません。レガシーシステムから抽出されたデータを新システムが正しく理解しなければいけないため、このステップは非常に重要です。

      3-3.データクレンジング

      重複したデータ、不完全なデータ、適切にフォーマットされていないデータを取り除く作業です。実務上は非常に泥臭い作業になりますが、将来の効率的なデータ活用を見据えると避けられない作業になります。

      新システムが稼働する前に潜在的な問題をあぶり出し、将来のデータ活用において想定される問題をつぶしておくことができます。

      3-4.新システム内でサンプルデータでの確認

      データの抽出、変換、クリーニングが完了したら、サンプルのデータセットをインポートして、問題やエラーがないかどうかをテストします。ここでも潜在的な問題をあぶりだすことが目的です。

      この時点で、全てが設計・計画通りにいっているかも合わせて確認します。

      3-5.新システムへデータを移行

      最後のステップは、すべてのデータを新システムに読み込み、使用できるようにすることです。


      4.まとめ

      レガシーシステム一掃を一歩ずつスタートしましょう。

      レガシーシステムの問題は根深く、莫大な投資を必要とすることから二の足を踏んでしまっていることが多いです。しかし、データ活用や高度なデータ分析はレガシーシステムの脱却の上に成り立つものであり、この脱却なしに成功はありえないといっても過言ではありません。

      レガシーシステムからの脱却、マイグレーションを成功させる鍵の一つは、データ統合です。

      レガシーシステムとは何かを理解したら、こちらの記事の内容も読んでいただけると具体的なアクションをとれるはずです。

      8割の作業がなくなる!図で理解するデータ統合の価値と進め方

       

      無料EBook:DXの羅針盤−よくある19の質問に回答-

      デジタル戦略を考えようとしても、「自社のデータ活用に悩んでいる」「何からやればいいのかわからない」「新しく新設したデジタル戦略室に配属された」などお悩みの方は多いでしょう。
      そこでこの冊子では、DXやデジタル領域でよくある19の質問にデータビズラボ代表永田が詳しく丁寧に回答しています。

      データ活用・デジタルトランスフォーメーション(DX)の大方針ともなる羅針盤としてご活用していただけるものと信じています。

      お問い合わせ

      サービスに関するご質問や講演依頼など、お気軽にお問い合わせください。2営業日以内にお返事いたします。

        お名前【必須】
        メールアドレス【必須】
        希望するサービス
        ご希望の納期【必須】
        詳細

        データをビジネスに活かす
        デジタル化/DX/データ活用の成功事例