データカタログとは?必要な理由、作成手順、管理方法までを解説!

データカタログは、組織内のデータに関する情報を集約し、一元化して管理するためのデータの目録やカタログです。

データカタログは、データセットやデータソースの詳細情報(データの種類、属性、取得方法、更新頻度など)を文書化し、容易に検索・参照できるようにします。

イメージとしては、図書館のカタログシステムを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。図書館のカタログでは、各本のタイトル、著者、出版年などの情報が収録されており、利用者は必要な本を見つけるために検索することができます。同様に、データカタログも組織内のデータに関する情報を集約し、利用者が必要なデータを容易に見つけることができる仕組みです。データカタログはもちろんお手製で作成することも可能ですが、ツールやソリューションのことを指すことが多いです。具体的には以下のようなものです。

    これらは一部のデータカタログツールの例であり、市場にはさまざまなツールが存在します。選択するツールは、組織の要件や環境に最も適しているかを評価する必要があります。

    本記事では、データカタログの機能や重要性、作成手順などについて掘り下げます。

    目次

    1.データカタログとは?

    データカタログ(Data Catalog)は、データの探索に強みを持ったツールです。データカタログは、組織内のデータの位置、構造、関連性、利用可能性などの情報を集約します。

    以下の動画がデータカタログのイメージがわきやすいかもしれません。

    Informatica(Youtube)より引用

    データカタログには、以下のような機能や特徴があります。

    データの検索と探索

    データカタログは、組織内の異なるデータソースやデータセットを一元的に管理し、利用者が必要なデータを検索して探索できる環境を提供します。データの属性やキーワードを使用して、関連するデータを見つけることができます。

    データのプロファイリングとメタデータ管理

    データカタログは、データのプロファイリングやメタデータ管理を行います。データの特性や統計情報、データのソースや所有者、更新日などの詳細な情報を収集し、データの理解と信頼性を高めます。

    参考:『メタデータとは?具体例を用いてクイックに解説』

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    2.データカタログ内に記録される情報の例

    以下は、データカタログに記載される情報の一部です。データカタログ自体は、これらの情報を一元的に収集・管理するための仕組みや枠組みを提供します。具体的な機能は、データカタログのツールやプラットフォームによって異なる場合がありますが、データカタログの目的はデータの検索や探索になります。

    • データの特性と説明:データの名称、説明、タグ付け、分類など、データの特性や属性に関する情報を提供します。
    • データの所在とアクセス方法:データの保存場所やデータソース、アクセス方法、APIなどの情報を提供します。
    • データの所有者(データオーナー)と連絡先:データを所有する組織や担当者、連絡先情報を記録します。
    • データ品質: データ品質の評価、メタデータ、品質ルール、データの信頼性に関する情報を提供します。
    • 利用条件とアクセス権限:データの利用条件やアクセス権限、セキュリティポリシーなどの情報を提供します。
    • データの関連性と依存関係:データ間の関連性や依存関係を示し、データの継承や派生関係を明示します。
    • バージョン管理:データのバージョン管理、変更履歴、承認プロセスなどを管理します。

      3.データカタログの重要性

      データカタログの重要性は主に以下の点があります。

      データの可視性とアクセシビリティ

      データカタログは、組織内のデータを一元的に管理し、利用者が必要なデータを簡単に見つけられる環境を提供します。データの所在や特性、利用方法などの情報を統一的に記録し、データの可視性とアクセシビリティを高めます。

      データの理解と信頼性

      データカタログは、データのプロファイリングやメタデータ管理を行います。データの特性や統計情報、ソースや所有者、更新履歴などの詳細な情報を収集し、データの理解と信頼性を向上させます。これにより、データの品質や正確性を確保し、信頼性のあるデータに基づいた意思決定を促進します。

      参考:『データガバナンスとはデータマネジメントを監督すること』

      4.データカタログの他のデータ領域との位置関係

      データカタログは、データマネジメントの一部として位置付けられます。以下に、データカタログと他の主要なデータ領域との関係を説明します。

      参考:『データマネジメントとは?実践前に知っておくべき最低限の基礎知識』

      データウェアハウス/データレイクとデータカタログの関係

      データウェアハウスやデータレイクは、組織内の様々なデータソースからデータを収集・統合し、分析や報告に活用するためのデータストレージです。データカタログは、データウェアハウスやデータレイク内のデータセットやデータソースのメタデータ(属性、関係、更新頻度など)を文書化し、データの検索や参照をサポートする役割を持ちます。

      データの発見性や利用性の向上に寄与します。

      参考:『メタデータとは?具体例を用いてクイックに解説』
      参考:『データレイクとは?データウェアハウスとの違いについて徹底解説』

      データガバナンスとデータカタログの関係

      データガバナンスは、組織内でデータの管理、品質保証、コンプライアンスの確保を行うプロセスです。データカタログは、データの所有者、アクセス権限、利用ポリシーなどの情報を提供することで、データガバナンスの一要素となります。

      参考:『データガバナンスとはデータマネジメントを監督すること』

      メタデータ管理

      メタデータは、データに関する情報です。

      データカタログはそのメタデータを管理します。メタデータには、データの属性、関係、意味、統計情報などが含まれています。データカタログは利用者にメタデータの理解や利用性向上を促進させます。

      5.データカタログの作成手順

      データカタログを作成する手順は以下の通りです。データカタログツールなどがある場合、これらをツールで一元的に行えるようになっていることがほとんどです。以下手順に従うことで、データの可視性とアクセシビリティの向上、データの理解と信頼性の確保が強固なものになるはずです。

      Step1 目的と範囲の定義

      データカタログの目的と範囲を明確に定義します。どのようなデータを対象にするのか、どのような情報を収集するのか、利用者のニーズや要件は何かを明確にします。

      Step2 データの収集とプロファイリング

      カタログに含めるデータを収集し、データの特性や統計情報をプロファイリングします。データのソース、形式、構造、関連性などを把握し、メタデータとして記録します。

      Step3 メタデータの定義と整理

      データカタログで使用するメタデータ項目を定義し、整理します。データの属性、意味、関連情報、更新履歴などの項目を決定し、適切なメタデータスキーマを設計します。

      参考:『メタデータとは?具体例を用いてクイックに解説!』

      Step4 データの文書化

      データの定義や用語の説明、データの利用方法や制約条件などを文書化し、ドキュメントとして整理します。利用者がデータを理解しやすくするための情報を提供します。

      Step5 データの関連性と依存関係の記録

      データ間の関連性や依存関係を記録します。データの血統やデータフローを可視化し、データの依存関係を把握することで、データの利用や変更の影響範囲を評価できます。

      Step6 データのアクセス権限とセキュリティの設定

      データのアクセス権限とセキュリティポリシーを設定します。データの機密性やプライバシーの要件に応じて、適切なアクセス制御やセキュリティ対策を実施します。

      Step7 カタログの公開と共有

      データカタログを利用者や関係者と共有し、アクセス可能な形で公開します。適切なツールやプラットフォームを使用して、利用者がデータカタログを検索して利用できる環境を提供します。

      Step8 カタログの継続的な更新と保守

      データカタログは組織内のデータ環境の変化に合わせて継続的に更新される必要があります。新しいデータの追加や変更、メタデータの更新などを定期的に行い、データカタログの正確性と有用性を維持します。

      6.データカタログの主要な要素

      データカタログには以下のような主要な要素が含まれます。

      データの説明と定義

      データカタログでは、データの属性や意味を明確に説明し、データの定義を提供します。これには、データの名称、データ型、範囲、制約、意味、および関連する用語や略語などが含まれます。

      メタデータ

      データカタログでは、データのメタデータを提供します。メタデータには、データのソース、更新日時、所有者、データ品質、データフロー、データの血統関係などが含まれます。これにより、データの信頼性や統合性を確保し、データの利用と管理をサポートします。

      関連情報と依存関係

      データカタログでは、データ間の関連性や依存関係を示します。これには、テーブル間の関係、データフィールド間の関連、データの参照先や参照元などが含まれます。関連情報と依存関係の可視化により、データの使用と分析の際に必要な情報を提供します。

      データアクセスとセキュリティ

      データカタログでは、データへのアクセス権限やセキュリティポリシーに関する情報を提供します。これにより、誰がどのデータにアクセスできるか、データの機密性やプライバシーが保護されるかなどを管理します。

      データ品質とデータガバナンス

      データカタログでは、データの品質とデータガバナンスに関する情報を提供します。データ品質の指標やルール、データの信頼性と整合性の評価、データの変更やバージョン管理、データの監査履歴などが含まれます。

      参考:『データ品質とは?品質評価項目や品質を向上させるための実務的対策を解説』

      データの検索と発見

      データカタログでは、データの検索と発見を支援する機能が提供されます。データのキーワード検索、データのフィルタリング、データのタグ付けや分類、データの関連性の可視化などが含まれます。これにより、利用者は必要なデータを容易に見つけて利用できます。

      7.データカタログの管理と更新の方法

      データカタログの管理と更新(メンテナンス)は意外と大変です。以下の手順を実行することが一般的です。これらは一過性のものではなく、継続的なプロセスとなります。

      データカタログの設計と構築

      データカタログを作成する前に、目的や要件を明確に定義し、データカタログの設計を行います。これには、どのような情報を含めるか、データの階層構造や関係性、メタデータの項目などを決定します。

      データカタログの作成と初期データの投入

      データカタログを実際に作成し、初期データを投入します。データカタログツールを使用する場合は、ツールの機能を活用してデータの登録や編集を行います。また、必要な場合は既存のデータソースからのデータのインポートも行います。

      データの定期的な更新と追加

      データカタログは変化するデータ環境に適応するため、定期的な更新と追加が必要です。新しいデータソースやデータセットが追加された場合、それらのデータをデータカタログに反映させる必要があります。

      メタデータの管理

      データカタログにはメタデータが含まれており、メタデータの正確性と品質を維持することが重要です。データのプロファイリングやメタデータの更新を定期的に行い、データの特性や関係性が最新かつ正確であることを確認します。

      アクセス制御とセキュリティの管理

      データカタログにはアクセス権限やセキュリティポリシーを管理する必要があります。適切なアクセス制御を設定し、データの機密性やプライバシーを保護します。

      ユーザーのトレーニングと利用促進

      データカタログの活用を促進するために、ユーザーへのトレーニングや啓発活動を行います。データカタログの使い方や利点についての教育を行い、利用者がデータカタログを積極的に活用するようにサポートします。

      8.データカタログプロジェクトを成功させるコツ

      データカタログがプロジェクト化され進めていくときのティップスをご紹介します。

      目的と要件の明確化

      データカタログを作成する前に、明確な目的と要件を定義します。データカタログがどのような問題を解決し、どのような価値を提供するかを理解し、言語化します。

      目的の明確化は、こちらの記事でも触れており、ぜひ参考にされてください。

      参考:『データ分析の基本とは「目的の明確化」である』

      データの標準化と統一

      データカタログ内のデータは一貫性を持たせるために標準化する必要があります。データフィールドの命名規則やデータ型、値の範囲などを統一し、データの整合性を確保します。

      データフィールドの命名規則などは、データガバナンスやデータマネジメントの論点で出てくることが多いです。以下の記事もご参考にされてください。

      データマネジメントとは?導入のメリットや実践的な進め方を解説

      メタデータの充実

      データカタログには詳細なメタデータを含めることが重要です。データの説明、ソース、更新日時、所有者、品質評価、依存関係など、データの背景情報や特性に関する情報を提供しましょう。

      参考:『メタデータとは?具体例を用いてクイックに解説』

      データの可視性と検索機能のレベルアップ

      ユーザーがデータカタログ内のデータを容易に検索できるようにするため、適切な検索機能やフィルタリングオプションを提供します。データのキーワード検索やカテゴリ分類など、利用者が必要なデータを素早く見つけられる環境を整えましょう。

      データカタログのアクセス制御: データカタログにはアクセス権限を適切に設定し、データの機密性やセキュリティを保護します。利用者ごとに必要なデータへのアクセス権を与えることで、データの適切な利用を実現します。

      継続的な管理と更新

      データカタログは継続的な管理と更新が必要です。データの変更や追加、メタデータの更新、利用者からのフィードバックの収集などを定期的に行い、データカタログを最新かつ有用な状態に保ちましょう。

      ユーザートレーニングと啓発活動

      データカタログの使い方や利点についてのトレーニングや啓発活動を行います。利用者に対してデータカタログの使い方を普及していくものです。

      まとめ

      企業は膨大な量のデータを抱え、その効果的な管理と活用が求められています。データカタログの導入により、データの可視化とアクセスの向上、データの再利用と効率化、データの品質管理と規制要件の遵守、そしてデータ活用の促進といった利点を享受することができます。

      データマネジメントプロジェクトの中でぜひ論点整理してみてください。

       

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