データ活用の成功事例10選とあなたのビジネスを加速させるヒント

この記事では、データ活用の成功事例10選を紹介します。

そもそもデータ活用における成功の条件とは、顧客のニーズを満たすことにあります。自社の技術や手法を用いて顧客のニーズを満たし、結果的に自社の利益に繋がって初めて成功と言えます。 ですから、顧客のニーズを満たすことなく自社の自己満足のために行うデータ活用は、本当の意味でデータ活用ではありません。必ず顧客のニーズの充足につながっていなければいけないのです。

世の中にはたくさんのデータ活用事例が溢れていますが、今回ピックアップした10の事例を把握するだけでも十分でしょう。なぜなら、顧客のニーズの充足という目的を果たした、データ活用の代表的な成功事例だからです。そして、そこから学ぶべき教訓や成功の秘訣が満載だからです。

本記事を参考に、今後のデータ活用の成功に繋げていただけますと幸いです。 それでは1つずつ紹介していきます。


1.野村証券:AI×SNSで景況感指数の調査を高速化&コスト削減

こちらはTwitterAPIを利用し、テキストデータを使った自然言語処理での事例です。

野村証券は景況感指数を調査するためにTwitterでのツイート内容を指数化し、景況感指数の調査の高速化、ひいては調査にかかるコストカットを実現させました。

抽出AIではあらかじめ景況感を表すテキストデータを大量に用意し、それをAIに学習させ、それと類似したテキストデータを集めるようにします。また、評価AIでは、その言葉が景気にポジティブな内容ならプラスの値を、ネガティブな内容ならマイナスの値を返すようにすることで実現しています。AIでTwitterのテキストデータから情報を抽出する「抽出AI」と、抽出されたテキストデータの意味(景況感など)を評価する「評価AI」を用いています。

引用:野村證券『データサイエンスと新しい金融工学』

これによりTwitterから景況感指数を取り出すことに成功し、調査コスト削減、月に15000件のサンプルデータの取得、速報性の向上とまさに一石三鳥の成果をもたらしました。

 参考:野村證券『データサイエンスと新しい金融工学』

ここが注目ポイント
社内にあるデータだけではなく、Twitterなどの外部データを積極的に活用し、ビジネスモデルと合わせその有用性を引き上げたこと

2. 東芝メモリ:AI×機械学習で半導体製造における劇的な品質向上を実現

こちらはセンサーデータを使った事例です。

製造業におけるデータ活用事例です。東芝メモリは半導体製造を行っている企業です。半導体業界においては、1%の歩留まり向上が大幅な収益の改善をもたらします。そのような中で東芝メモリは、データ解析基盤をプラットフォーム化させ、数ペタバイト(10の15乗バイト)にも及ぶ膨大なデータを一元化しました。

これによる便益は主に以下となるでしょう。

  • 今まで溜め込んでいた膨大なデータの活用を実現
  • データ検索、加工にかかっていた時間も大幅に削減
  • AI×機械学習のアプローチで従来では発見するのが困難であった小さな問題を早期発見
  • 不良要因の特定時間を短縮

    参考:Press Release 東芝メモリ、Clouderaにより半導体製造における劇的な品質向上を実現

    データ解析基盤を整備しプラットフォーム化させることへ投資することで、大幅な工数の削減を実現しました。

    ここが注目ポイント
    データ基盤をプラットフォーム化させたこと、そしてそのためにClouderaの協力を得て、プラットフォーム化のための技術面を補ったこと

    3.電通:AIによるマグロの品質判定システム(匠テック)

    こちらは画像データを使ったディープラーニングの事例です。

    電通では、ディープラーニングを使った画像解析技術によって、マグロの品質を解析しました。さらに、同システムが最高品質と判断したマグロを「AIマグロ」としてブランド化することによる市場性の検証も行っています。背景としては、後継者不足が課題となっているマグロの目利きの技能を継承するためです。

    ▼イメージ

    天然マグロの尾部断面画像からAIが品質判定を行うシステムは結果としてマグロ職人と85%の一致度でマグロの品質判定に成功し、「AIマグロ」に関しては注文客の89%から高い満足度を得ることができました。

    参考:ISIDと電通、職人の能力をAIで継承する「プロジェクト 匠テック」を開始

    ここが注目ポイント
    人、それも職人とほとんどおなじ目利き技術を再現するために最新技術を用いてAI開発を行ったこと

    4.小松製作所:モノとインターネットをつなぎ、機械の制御を実現(KOMTRAX)

    こちらはセンサーデータ、位置データを使った事例です。

    小松製作所(以下コマツ)は建設機械の大手会社です。この事例はIoTを活用した非常に有名な事例です。

    IoTを活用し、世界各地で稼働している自社製の建設機械を集中管理しています。これをKOMTRAXといい、具体的なプロセスは、大きく以下の通りです。

    1. コマツの建設機械に車両の状態や稼働状況をチェックするセンサーやGPS装置を取り付ける
    2. 各車両のデータをコマツのサーバーに自動的に送信する
    3. 集積する

    KOMTRAXを導入することで以下のような便益があり、その便益は製造業にとって莫大なものと推察されます。

    • 機械の故障要因推定に容易化
    • 修理の迅速化
    • 機械の盗難防止
    • 顧客側のコスト削減提案
    • 製品の需要動向予測を実現

          参考:ビッグデータ活用でビジネスはどう変わったか 〜コマツにおけるモノのインターネット事例から考える〜

          ここが注目ポイント
          大規模なデータ収集基盤の構築から行ったこと

          5.ワークマン:2時間かけていた発注を10秒に短縮

          こちらは、商品データ、カスタマーデータを使った、身近なエクセルを活用した統計分析の事例です。

          ワークマンはデータ活用によって、時間コストと、出費コストを削減させることに成功させ、ここ数年で急成長を遂げることができた典型例です。ワークマンのデータ活用成功事例は多くその書籍にも記載されていますが、特に面白い事例としては以下があるでしょう。

          • 今まで2時間かけていた発注を一括発注ボタンで10秒にまで短縮
          • 取引先にデータを開示することで、商品の調達量を適正化

            また、ワークマンは高度な分析技術よりも、慣れ親しんだエクセルを駆使したデータ経営を行っていることでも有名です。ワークマンでは社員全員がデータ分析を行えることが重要だという思想のもと、エクセルの使用を推奨しています。

            参考:日本経済新聞 〜破竹の勢いワークマン 秘密は「エクセル」〜

            ここが注目ポイント
            社員全員にデータ分析スキルを身につけさせ、データ活用のブラックボックス化を防いだこと

            6. Facebook:不適切な写真をAIが監視、自殺防止にも役立てる

            こちらはテキストデータ、画像データを使った転移学習の事例です。

            Facebookは、1日に投稿される100億枚の画像から、不適切な画像をAIで摘出しています。

            このように、人間にはいくら時間があってもできないような作業が必要な場面AIは大活躍します。FacebookはこのAIのアルゴリズム(転移学習)をFacebook AIで解説しています。画像からインサイトを抽出したいときは参考になるはずです。

            参考:FacebookのAIがぶち当たった限界(東洋経済オンライン)

            ここが注目ポイント
            GAFAならではの、超ビッグデータの収集とそれらを活用することのできるトップクラスの技術力

            7.Panasonic:営業にデータ分析ツールの導入で時間・人手のコストを削減

            こちらは営業データを使った事例です。

            Panasonicの子会社、パナソニックインフォメーションシステムズは、営業に必要なデータ管理をするために、外部からデータ管理ツールを導入しました。

            導入前の課題としては以下がありました。

            1. 案件状況・見込み把握が円滑になされていない
            2. 顧客情報を整備できていない
            3. 部内での情報共有に人手と時間がかかる
            4. 上層部の迅速な指示が出しづらい

              導入後はこれらの課題は解決され、時間と人手のコストが削減され、大幅に生産性をあげることに成功されているようです。

              参考:eセールスマネージャー 事例紹介

              ここが注目ポイント
              自社開発ではなく、外部受注のデータ分析ツールを用いて、効率的に営業部のDXを実現したこと

              8.鹿島建設:AIによる図面作成で施工計画を大幅短縮

              こちらは3Dデータを使用した事例です。

              建設の現場では「生産効率UP」と「品質向上」の両立が求められています。工期短縮や、無駄の排除に貢献すると期待が寄せられているのが、BIMと呼ばれる自動で図面を作成してくれるものです。

              参考:Wikipedia「BIM」

              ▼BIMのイメージ

              画像:ビジネス+IT『BIMとは何か?』より拝借

              このBIMによって数個図面を作成し、それをAIに読み込ませることで、最適な施工計画を提案してくれます。施工計画には通常1週間かかると言われますが、AIであれば数分で済むため、膨大な時間コストの削減が可能となります。

              参考:建築業界でのAI活用事例3選【設計業務は人工知能が行う】, ”BIM×AI”がもたらす建設業界の変革

              ここが注目ポイント
              AIの得意分野と、人の得意分野を区別し、最適なAI活用を行うことができたこと

              9.NIKE:アプリによるデータ収集で最適なカスタマーサクセスを実現

              こちらはスマホアプリのカスタマーデータを使用した事例です。

              NIKEは自社アプリである「NIKE アプリ」での利用者データを活用しています。

              利用者はアプリを初めて使う時、自分が興味ある商品分野について答えるようになっています。それらのデータを使って利用者の好みや、興味に合わせて、アプリに表示する商品を変更しています。また、商品以外にも、ライフスタイル情報なども提供しています。また、データは利用時にも収集していく形となっており、アプリを使っていくうちに、ユーザ固有の「NIKE アプリ」が完成(パーソナライズ)していくことになります。

              参考:IT media NEWS ナイキ、利用者データ活用へ

              ここが注目ポイント
              UX向上によるカスタマーサクセスを第一に考え、そのためのデータ活用を行ったこと

              10.TOTO:AIの活用でトイレから健康をチェックする”ウェルネストイレ”の開発

              こちらはセンサーデータとAIを使った事例です。本日時点ではまだ市場には出ていない開発段階のものですが、TOTOは日常におけるAIの活用を進めようと開発に励んでいます。

              TOTOが開発中の”ウェルネストイレ”では、用を足す際に、便座に内蔵されているセンサーが以下をデータ化します。

              • 心拍数
              • 体脂肪率
              • 肌の状態
              • 排泄物の臭い、形状

              これらから人の健康状態を認識し、おすすめの料理やご飯をスマホから提案してくれます。他にも、運動などの健康改善プログラムの指導や、医療機関との連携も行うとされています。

              TOTOはこれらの開発をオープンイノベーションにより関連技術分野の得意なスタートアップと連携されています。自社内だけでなく、他も巻き込んでの開発でさらにデータ活用が加速している好例ですね。

              参考:日本経済新聞『TOTOトイレ、座って健康管理、病気の兆候キャッチ』

              ここが注目ポイント
              センサーデータにより目に見えない詳細なデータまで取得することに成功したこと

              まとめ

              データ活用は、自社商品や企業の動向がわかるだけでなく、ビジネスや顧客ニーズににあった技術やテクノロジーを適切に采配することで初めて価値を生み出します。

              DXとなるとツールやソリューションに目がいきがちになりますが、自社のビジネスにおける顧客ニーズを徹底的に考える良い機会でもあります。

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