1984年に創業し、今年で創業40周年となる老舗の広告代理店であるメディックス様。様々な業種・業界にて、デジタルマーケティング領域のサービスを提供されています。
当社は、メディックス様のデータ分析基盤・BIの構築、データマネジメントへのコンサルティング支援を実施いたしました。
今回は、メディックス様の取り組みされている、マーケティング分野でのデータ利活用の取り組みについて、株式会社メディックス マーケティングデザインユニット ユニット長 プロデューサー 上野一幸様、プロデュースグループ マネージャー 西岡春奈様、プロデュースグループ プロダクトマネージャー 齋藤 寛士様にインタビューさせていただきました。
(※)写真右から、齋藤 寛士様 / 西岡春奈様 /上野一幸様 / データビズラボ株式会社 代表 永田ゆかり / 藤本翔士
1.メディックス様のデータに関するお取り組み
インターネット黎明期から現在までのチャレンジ
株式会社メディックス マーケティングデザインユニット ユニット長 プロデューサー 上野一幸様
ーー今年創業40周年となる老舗の広告代理店であるメディックス様ですが、創業時と現在ではどのように事業内容やデータの取り扱いは変化しておりますか?
(上野様)弊社は元々紙媒体の制作会社からスタートしました。現在は、インターネット媒体へとステージが変化し、現在は様々な業種・業界のクライアント様に、広告・プロモーション、クリエイティブ設計・制作、データマネジメント、データ活用マーケティングなどのサービスを提供しています。
実施している事業内容や、提供しているサービスは時代に合わせて変化していますが、「真面目にお客様と向き合っていきたい」という本質は変わっていません。
よりお客様の本質を知るために、アクセス解析を実施したり、データを分析したりしながら、根拠を持ってクリエイティブや広告の提案をしたいというスタンスとマッチしたことから、データの扱いを実施することになりました。
株式会社メディックス マーケティングデザインユニット プロデュースグループ マネージャー 西岡春奈様
ーー1984年創業時と現在では、広告代理店業界やマーケティングの風景が大きく変わっているかと存じます。貴社がどのように時代の変化に適応してきたか、またそれに伴う大きなチャレンジは何でしたか?
(上野様)時代に合わせて他社と差別化していくために、事業内容もシフトしていきました。特に、検索エンジンが出始めた際には、世の中を変えるサービスであると確信し、デジタルマーケティングにチャレンジしていくことになりました。
最初は、純広告がメインでしたが、時代に合わせてターゲティング広告、ブランディング広告、SNS広告など変化し、それに合わせてメンバーも変化していきました。
株式会社メディックス マーケティングデザインユニット プロデュースグループ プロダクトマネージャー 齋藤 寛士様
(齋藤様)また、データを扱うにあたり、サイロ化されたデータを統合し活用していくため、データを軸として営業・広告・データ解析など様々な部署からのメンバーが集まり「マーケティングデザインユニット」も立ち上がりました。
画像出典:メディックス「私達の強み」
(齋藤様)マーケティング施策において、Web広告データ、顧客データ、購買データなど様々なデータが収集されますが、個別に分析・活用して部分最適化するにとどまっているケースが多いでしょう。マーケティングデザインユニットでは、分断化されていたデータを統合して、一貫した分析や施策への落とし込みを可能にしています。
ーーマーケティングデザインユニットで、成功を収めたユニークなプロジェクトについて教えて下さい。
(西岡様)マーケティングデザインユニットは、広告をはじめとしたデジタルマーケティングをデータの面から支えることがミッションです。
例えば、DtoCビジネスを展開されている事業会社様では、顧客データが取得できているものの、経営者が見たいデータがすぐにでてこなかったり、チームごとに全く違うデータが出てくるという状態でした。
そのため、まずは事業として見ていくKPIを設計し、可視化することから始めました。経営者から現場までKPIを理解し、ひとつのダッシュボードを見ながら状況を把握できるように整えました。データはTableauでダッシュボード化したことで、日々自動で更新されるようになっています。
すべてのレイヤーの目線をあわせることで、意思決定がしやすくなった事例です。
2.マーケティング業界のデータ利活用の現状
データビズラボ株式会社 代表 永田ゆかり
ーーマーケティング業界において、データ活用推進時の課題となりやすいことは何がありますか?
(西岡様)データの取得はできてはいるものの、統合されていないことが課題です。
データを収集しただけにとどまっており、収集したデータを分析してマーケティング施策に落とし込むまでにはいたっていないケースが多く見られます。
ーーマーケティング業界において、データ活用推進時に期待していることは何がありますか?
(齋藤様)マーケティング領域でのデータ活用はまだ始まったばかりです。新規の顧客獲得フェーズ、既存顧客の育成フェーズそれぞれデータ活用する余地がありますが、今までは新規顧客獲得フェーズでのWebアクセス解析、広告データの分析などが進んでいました。
今後は育成フェーズでよりデータ活用を進めていく企業が増えていくと考えられます。
一度広告からCV(コンバージョン)した人が、その後もリピートして購入に繋がるよう、LTV(ライフタイムバリュー)を最大化できるための取り組みとして、顧客との良好な関係性を築いていくためのデータの活用が重要になると考えています。
(西岡様)また近年では、cookie情報が収集しにくくなっており、1stパーティーデータを使いながらユーザーを特定していく動きが盛んです。ユーザーのファネルを考えたときに、ユーザーをつなげていく動きが重要になると考えており、この取り組み時にもデータの統合や利活用は欠かせないものになると考えています。
データビズラボ株式会社 コンサルティング部 藤本翔士
3.データビズラボへのご依頼経緯
ーー貴社はデータビズラボとデータ分析基盤の構築や、データ利活用を実施いたしましたが、実施する背景や、ご依頼いただいたきっかけにはどのようなものがありましたか?
(齋藤様)マーケティング業務に活用するBI構築をサービスとして確立し、グロースを加速させるために、また、自分達では気づけてない進め方などを吸収し、よりメディックスのサービスを強固にするために、経験・知見が豊富な外部からの視点も取り入れるべく、壁打ち相手となってくれるパートナーを探しておりました。
BIツールでデータを統合・可視化することが目的ではなく、クライアントの利益の改善に貢献するための基盤とするべく、マーケティングのことを理解して協業できる相手を求めていました。
実際にご提案した内容例
ーーデータビズラボに依頼する決め手になったものは何ですか?
(西岡様)データに関する経験の豊富さ、丁寧なコミュニケーション、寄り添った支援の3点です。
数社お見積もりを取る際に、Tableauの画面を見せてどのようなことができるのか具体的な内容を伺いました。データビズラボからは、すぐに可能だと返答いただき経験の違いを感じました。
また提案書内で、メリットだけではなくリスクについても言及していただいたことから、信頼できるパートナーだと感じただけではなく、日々のコミュニケーションの中でも柔軟性を感じる部分が多々あり、協業することでプロジェクトが成功すると確信しました。
(齋藤様)人月と金額で見積もりをいただくのではなく、弊社の置かれている状況に寄り添ったご支援を頂くイメージができたことも決め手でした。
4.メディックス様のデータ領域に関する変化と今後のビジョン
ーーデータ利活用の取り組みを進める際に大切にしていることや、重要だと感じていることはありますか?
(西岡様)データを統合することやBIを構築することが目的ではなく、データを見て示唆を得て、そこからマーケティング施策に落とし込んでいくことが重要です。
このことを念頭においたうえで、クライアント様と会話するようにしています。
ーー今後のデータの利活用や、戦略について教えて下さい。
(上野様)これまでの40年で事業内容が変化してきたように、今後も時代の変化に合わせて提供するサービス自体は変わるかもしれません。しかし、デジタルマーケティングを中心に「お客様の課題を解決していく」という本質的なものは変わらないと思います。
データの可視化や分析は、マーケティング施策を検討する際の「手段」です。データを活かして、どのような行動に落とし込めるのかが重要だと考えています。
まだコストがかかっているデータの分析を、効率よく実施できるような体制を整え、クライアント様がデータを利活用していけるようなコンサルティング・伴走支援を強化していければと思っております。
(齋藤様)今後もデータ分析基盤やBIの構築を、バランスよく内製していきながら、新しい技術的な気づきを活かしながらサービスを強固にしていければと考えています。
おわりに
データドリブンな意思決定を実現するためには、現状保有しているデータをBIツールでそのまま可視化するのではなく、データ活用していく目的を明確にしたうえで分析基盤を構築していくことが重要です。
メディックス様のデータ分析基盤・BI構築は、データを統合する目的が明確になっており、意思決定をする際に必要な情報が可視化されているからこそ、マーケティング業務を遂行する上での強力な武器になっているといえるでしょう。
「データの収集や可視化は「手段」であり、データを活かして、本来の業務であるマーケティング施策の検討や実行をしていく」ということを社内で明確にされていることから、データドリブンな意思決定ができる環境が整っており、本質的なデータの利活用が推進されていると強く感じられました。
データビズラボでは、データ分析基盤の構築、BIの整備からデータ分析・可視化、データマネジメントまで包括的な支援を承っております。データ領域についてご興味のある方は是非下記リンクからお問い合わせください。