GAIQとは、正式には「Googleアナリティクス個人認定資格」といい、GoogleAnalytics(以下GA)の基本的な使い方や用語の理解に関する資格です。無料で何度も受験でき、学習教材もGoogleから公式で無料入手することができる資格です。GAIQの学習、資格取得は以下の方にオススメです。
- アクセス解析に興味がある人
- 自分の運営しているサイトをGAを使って分析したい人
- GAの入門レベルの知識が身に着けたい人
1.GAIQとは
GAIQでは、「GAでどんな情報を集められるか」「GAをどうやって操作するのか」についての知識が問われます。今後WEBマーケターやSEOコンサルタントなどを目指している人にとっては入門となる資格だと言えます。
試験の概要
GAIQは特定の試験日が存在せず、受けたいときにいつでも受けられます。
全部で70問の問題が出題され、8割の正答率が求められます。試験時間は90分で、オンラインでの受験なので中断は不可です。70問と聞くと多く感じますが、4択か2択の問題がほとんどなので実際には30分ほどで全て解き終えることができる方も多いでしょう。
GAIQはGoogleアカウントさえ持っていれば合格するまで何度でも無料で受験できます。しかし、一度不合格になると再受験まで1日待つ必要があります。また、一度合格しても資格には有効期限があり、1年過ぎると再度受験して合格する必要があります。
※有効期限が1.5年、再受験まで7日間必要と書かれている記事もありますが、こちらが最新の数字になります。(2021/11/10時点)
受験費用 | 無料 |
再受験までに必要な時間 | 1日 |
資格の有効期限 | 1年 |
試験時間 | 90分(中断不可) |
受験資格 | Googleアカウントがあること |
2.GAIQに1週間で合格する勉強法
GAIQは決して取得が難しい資格ではありません。集中して学習すれば短期間で取得できます。必要な勉強時間や取得までのプロセスを以下にまとめます。
1週間の学習プロセス
GAIQは何度でも無料でチャレンジできるので、受験と復習のサイクルを何度も繰り返すことが合格への近道です。
day1.とりあえず受けてみる
問題の雰囲気や難易度を知るためにまずは一度受験してみましょう。この時点ではあまり解けなくても大丈夫です。
day2~3.Googleの公式学習ガイドを受講する
公式学習ガイドは2コースあり、両方学ぶことで合格へと近づけます。確認の小テストはGAIQで実際に出題される問題と類似しているので、全問正解できるまで取り組みましょう。
公式学習ガイドはこちらです。
day4.再度受験する
この段階で合格すれば文句なしですが、不合格だった場合はしっかりと復習しましょう。試験時間には余裕があるので自信がない問題はメモしておくのがオススメです。
day5.GAのヘルプを参考に復習する
メモをもとに、GAのヘルプから理解を深めましょう。アナリティクスヘルプの画面からわからなかった用語を検索することができます。
day6.合格
十分に復習できていればこの時点で合格できるでしょう。もし不合格だった場合は再度復習しなおしてリトライです。
傾向と対策
何度も受けてみるとわかりますが、重複する問題がかなり多いです。なので100~150問ほどの中からランダムに70問を抽出して出題しているのではないかと推測できます。また、ただGAIQの合格を目指すのではなくGAの全体像を把握することを目標に学習しましょう。GAで何ができるのか?それぞれの機能は何のために存在しているのか?といった問いに答えられるように学べば自ずと合格に近づきます。
大きく分類すると、GAIQは以下の4つのタイプの問題に分けられます。
- GAのデータ収集方法に関する問題
- GAの見方に関する問題
- GAの仕様に関する問題
- 自分で設定する項目に関する問題
以下に提示する例題については、Googleの公式学習ガイドの小テストから引用したので、解答が気になる方は是非受講してみてください。GAIQでも類似の問題が出題されます。
GAのデータ収集方法に関する問題
GAは、トラッキングという手法を用いてデータを集めています。トラッキングコードがHTMLのどこに設置されているのか、ユーザーのどんな行動や情報が記録されるのか・逆に記録されないのかを押さえましょう。
例えば、「ユーザーの個人情報は収集されない」「トラッキングコードは記事の<head>の下に書かれている」といった内容が頻出です。
GAの見方に関する問題
GAを見る場合にどこを見ればどんなデータが入手できるのかを問われます。例えば、「直帰率はユーザーがウェブサイトにアクセスした後インタラクションが発生しないまま離脱した割合で、チャネルレポートでチャネルごとの直帰率が確認できる」などを理解している必要があります。
実際にGAを触ってみるのが手っ取り早いですが、無理であれば公式の学習サポートを活用し、GAのヘルプページを何度も読むのがオススメです。
GAの仕様に関する問題
GAの仕様について理解しているかどうかを確認する問題が多く出ます。例えばGAの階層について「アカウント>プロパティ>ビュー」の順番を答えさせたり、「フィルターで除外したデータは復旧できない」といった一歩使い方を誤るとデータを失う注意点について問われます。
また、GAとGoogle広告を連携して使用する場合についての質問もよく出題されます。例えば「GAのキーワードの入札単価を Google 広告で調整することはできない」といった知識が問われます。
自分で設定する項目に関する問題
カスタムレポート、カスタムセグメントや、目標などの項目は自分で設定する必要があります。ちなみにこの場合の”目標”は「10万PVを目指す」といったものではなく、「購入ボタンをクリックする」「お問い合わせボタンをクリックする」といったユーザーの具体的なアクションを伴う目標です。
例えば「指標とは何か?」「ディメンションとは?」「POSデータと連携させるにはどうすればいいか?」など、自分で設定してユーザーのデータを取る方法について問われます。
学習の際のポイントとしては自分だったらどんなデータが欲しいか、そのデータを手に入れてどんな示唆へとつなげたいかをイメージすると知識が体系的に獲得できると思います。
3.GAIQを取得したらやるべきこと
GAIQを取得する主な目的は以下の2つであると思います。
- 自分が運営しているサイトのアクセスを分析し、よりよいサイトにしていきたい
- Webマーケターとして自分のスキルの証明が欲しい
GAIQを取得した上で以下にトライすることでこうした目的の達成に1歩近づくことができます。
GAの基本的な設定をする
GAIQ取得はGAに関する用語や操作の基本を理解していることの証明になります。加えて、自分でGAを設定してみることで知識が整理されGAで何ができるのかを実感を持ってわかるようになります。
GAIQの試験内容を理解していれば以下のことができるので是非トライしてみてください。
- 目標やフィルタ、タグなどを初期設定してサイト運営に必要な情報が収集できるようにする
- 「直帰率が高い」「バナーのクリック率が低い」などサイトの問題点を把握する
- コンテンツごとの検索順位や直帰率・離脱率を把握する
- どのコンテンツがランディングページ(サイトで最初にアクセスされたページ)になっているかわかる
GAを使って課題を見つける
アクセス解析の目的は現状の把握と課題の仮説を立てることです。ただGAを網羅的に眺めているだけでは現状把握しかできません。具体的な課題を発見し、解決に向けて動き出すために以下にトライしてみましょう。
コンテンツの課題発見から解決までを行う
GAによって、あまりアクセスが伸びていないコンテンツや、アクセス数は多くてもコンバージョンにつながっていないコンテンツなどが発見できると思います。「なぜアクセスが伸びていないのか?」「なぜコンバージョンにつながっていないのか?」の仮説立案、検証のサイクルを回していくことでコンテンツの分析力が身につき、スムーズにサイト改善をできるようになっていきます。
まずはコンテンツを地道に作成しましょう。いくらGAを理解していても、実際のコンテンツ作成やサイトレイアウトを考えた経験がなければ実務に役立てられません。どんなクオリティの記事を書けば検索順位を上げられるのか、どんなバナーならクリックしてくれるのかを考えて試行錯誤することでサイトを成長させていくことができます。
CRMツールと連携させる
CRMツールとは顧客の情報管理を行うツールで、顧客の名簿からメールを一斉配信したり商談の進み具合を管理したりできるためBtoBでもBtoCでもよく使われています。GAとGoogle広告のアクセス解析に加えて、連携による顧客の入り口から現在の状況までカスタマージャーニーを把握し、マーケティングプロセス全体の改善につなげることができます。
具体的には以下のようなことがわかります。
【BtoC(ECサイト)の場合】
- どんなコンテンツからアクセスしてくれた人が継続的な顧客になっているか
- ステップメールの効果はどれほどあるのか
【BtoBの場合】
- どんなリードが成約率が高いのか
- ランディングページからコンバージョン、商談、成約に至るまでどのプロセスでつまずいているのか
まとめ
GAIQを取得することで、GAを活用してアクセス解析を行うスタート地点に立てるようになります。サイトの現状を把握したり、サイト運営に必要な情報を精査したりしながら更にハイレベルなSEOスキルを身につけていきましょう。
Googleアナリティクスについて詳細に解説した記事がありますのでよろしければご参照ください。
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