インナーコミュニケーションの目的と重要性とは?成功事例から学ぶ具体的な取り組み

提供:株式会社QUICK

組織内で行われるコミュニケーションのことを「インナーコミュニケーション」と呼びます。働き方の多様化や、働くことへの価値観が変化している現代では、組織の一体感を高め、生産性向上に結び付くインナーコミュニケーションの活性化の取り組みが重視されています。

本記事では、そんな「インナーコミュニケーション」について取り組む目的や、その重要性などの基礎知識を解説します。成功事例もご紹介しているので、具体的な取り組み内容を決める際の参考にしてみてください。

インナーコミュニケーションとは?

インナーコミュニケーションとは、全社で共通の目的意識を持つために行われる社員間のコミュニケーションや、企業と社員間のコミュニケーションのことです。社内コミュニケーションや、インターナルコミュニケーションとも呼ばれます。

インナーコミュニケーションを活性化することは、社内の一体感を高めることに繋がります。組織力が強まり、生産性向上や企業としての競争力の向上も期待できます。

似た言葉との違い

インナーコミュニケーションと似た言葉に「インターナルコミュニケーション」という言葉があります。どちらも社内コミュニケーションのことを指し、同じ意味で使われます。

関連記事:インターナルコミュニケーションとは?活性化させる9つの方法・成功事例から学ぶ取り組むポイントを解説

インナーコミュニケーションの重要性が高まっている理由

インナーコミュニケーションの重要性が高まっている理由には、働き方の変化や仕事に対する価値観の変化、ライフスタイルの多様化があります。詳細を解説します。

働き方の変化

新型コロナウイルスの拡大をきっかけに、働き方に大きな変化が起きています。従来は、毎日オフィスに出社し、顔を合わせて仕事をすることが一般的でした。現在は、自宅で仕事を行うテレワークや、在宅勤務と出社を組み合わせたハイブリッド型の働き方を取り入れている企業が増えています。

顔を合わせる機会が減ると、自然とコミュニケーションの量も少なくなります。コミュニケーションの齟齬が起きたり、ミスが頻繁に起こったりすることに繋がりかねません。インナーコミュニケーションは、そうした働き方の変化とそれゆえに発生し得るトラブルを減らす効果が期待できます。

仕事に対する価値観の変化

従来は、ひとつの会社に定年まで勤め上げる終身雇用が一般的でした。現在では仕事に対する価値観も変化してきており、転職しながらキャリアを築いていく働き手は少なくありません。

このように人材の流出が激しい時代においては、待遇や業務内容では従業員を引き止めることはできません。インナーコミュニケーションを通して企業理念や価値観に共感してもらい、企業への愛着心の形成が必要です。

ライフスタイルの多様化

働き方や仕事に対する価値観の変化から、仕事とプライベートとのバランスにも変化が訪れています。仕事を中心とした生活ではなく、プライベートを充実させたいと考える働き手が増えているのです。中には、仕事をバリバリこなしたい人もいます。

異なる価値観を持つ従業員同士や組織と従業員が、お互いの価値観を大切にして働き続けるには、より密なコミュニケーションが必要です。インナーコミュニケーションを活性化することで、そうしたライフスタイルの変化にも対応できる組織作りができます。

インナーコミュニケーションの実施目的

インナーコミュニケーションは、「組織と従業員の信頼関係の構築」「部署間の連携強化」「優秀な人材の採用と囲い込み」などの目的で実施されます。それぞれの詳細を紹介します。

組織と従業員の信頼関係の構築

インナーコミュニケーションを活性化することは、組織と従業員の信頼関係の構築に繋がります組織と従業員が相互的な理解を深め、信頼し合った上で業務を行うには、日々のコミュニケーションを増やすことが大切です。また、企業理念や企業の価値観、ミッションなどを伝えることで、従業員は業務に納得感をもって取り組みやすくなります。

企業への理解が進めば愛社精神も育まれ、モチベーション高く業務に取り組む従業員も増えていきます。結果として、従業員エンゲージメントの向上にも繋がります。

部署間の連携強化

インナーコミュニケーションの実施目的のひとつが、部署間の連携強化です。通常、部署内ではコミュニケーションが盛んに行われ強化されていることが多くありますが、一方で部署同士の横の繋がりは弱い傾向にあります。

インナーコミュニケーションを活性化させることで、部署間で交流する機会が自然と増加します。部署が違う従業員同士で理解が深まれば、業務の連携もスムーズに行われるようになり、行き違いや確認不足による業務上のミスの軽減も期待できます。

また、情報共有が強化されることでシナジーが生まれ、新規事業の開発や、顧客満足度の向上などにも効果が期待できます。

優秀な人材の採用と囲い込み

インナーコミュニケーションは、人材の流動性が高まっている昨今において、優秀な人材を採用したり、自社に囲い込んだりする目的でも実施されます。

厚生労働省が公開している「令和2年転職者実態調査の概況」によれば、自己都合による退職のうち、人間関係を理由とした離職は上位にランキングしています。仕事内容や賃金に並び、風通しが良い環境は働き手にとって勤め先を選ぶ際の重要なポイントです。

インナーコミュニケーションが強化された組織では、部署を超えたやり取りがしやすく、自身の意見も言いやすいため、優秀な人材が十分にスキルを発揮して活躍することが可能です。そうした人材が活躍していることを採用ブランディングで発信すれば、より優秀な人材の採用も期待できます。

参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況

 

インナーコミュニケーションを活性化させる方法

インナーコミュニケーションをどのように行い、維持していけば良いのでしょうか。インナーコミュニケーションを活性化させる代表的な方法をご紹介します。

1on1

1on1とは、1対1で対話することです。業務上の悩みから雑談まで、定期的に1対1で会話をする機会を設けることにより、上司と部下間の信頼関係を構築し、日々のコミュニケーションを活性化することができます。

社内報

社内報は、組織から従業員に対して、企業理念や価値観を伝える際におすすめの方法です。他にも、事業部や部門ごとの特集、新入社員の紹介など、企業内のさまざまな情報を共有できます。

社内報と言えば従来は紙媒体が主流でした。在宅勤務やハイブリッドワークが普及し、Web上でのコミュニケーションが普通になっている現在では、Web社内報を発行する企業が増えています。

社内イベント

社内イベントは、縦・横の繋がりを強める際に用いられる手法です。普段、関わりがあまりない従業員同士の交流が生まれる他、すでに知っている従業員の新たな一面を見られる機会にもなります。

社内イベントを実施する際は、目的設定が重要です。交流をメインとするなら勉強会やレクリエーションなど。お互いの業務について理解を深めることが目的なら、社員総会や表彰式など仕事に関係するイベントを企画しましょう。

オフィスの環境整備

オフィスの環境整備により、日常的なコミュニケーション量の増加が期待できます。代表的な例は、社内カフェやマグネットエリアの設置、フリーアドレス制の導入です。

社内カフェやマグネットエリアなど、人が自然に集まるスペースを作れば、部署の垣根を超えた交流が発生します。そこからイノベーションに繋がるアイデアが生まれる可能性も考えられます。

フリーアドレス制では、普段業務に関わりがない従業員同士の交流に繋がります。

インナーコミュニケーションに役立つツール

インナーコミュニケーションの活性化は、ツールを使うことでより効率的に行えます。よく使われる役立つツールをご紹介します。

社内SNS・ビジネスチャット・グループウェア

社内SNS・ビジネスチャット・グループウェアは、社内での気軽なコミュニケーションを促進する際に役立つツールです。メールのような形式で送らなくて良いため、質問や相談を気楽に行えます。

テレワーク・オフィスワークを問わず、日常のコミュニケーションを取ることも可能です。従業員が働く環境を問わずやり取りできるのが大きな魅力です。

オフィスサイネージ

オフィスに設置するデジタルディスプレイ「オフィスサイネージ」は、情報共有や意識付けに使える便利なツールです。オフィスの入り口やエレベーター前などに設置することで、多くの従業員が情報を目にします。

オフィスサイネージは映像・音声・文字で動的に情報を伝えられるのがメリットです。最新の情報も視覚的にわかりやすく共有できます。毎日、目にすることで意識の高まりや企業理念の浸透などが期待できます。

また、リアルタイムで内容を変更できるため、ポスターやチラシなどと比較するとよりインタラクティブなコンテンツを提供できます。

インナーコミュニケーションの成功事例

各企業はどんなインナーコミュニケーション施策に取り組んでいるのでしょうか。参考となる成功事例をご紹介します。

出社する意義の創出と、オフィスの価値を高める取り組み|コニカミノルタ

コニカミノルタ株式会社は、インナーコミュニケーション活性化の施策として、オフィスの価値を高めるための取り組みを実施。オフィスの一部を用途ごとにエリア分けし、従業員が働く場所を柔軟に選べるようなオフィス作りを行っています。

オフィスの用途を明確化することで、社員の生産性を向上しているのがポイントです。また、出社する意味を企業側で創出し、対面でのやり取りが自然に増えるような仕組み作りにも成功しています。

画像出典・参考:コニカミノルタ「オフィス見学ツアーのご案内

映像を活用し、従業員に自社の課題とブランドを提起|リクルート

株式会社リクルートホールディングスは、インナーコミュニケーション活性化の施策として、映像を活用。始まりは「ビデオ社内報」でしたが、社内の反響をきっかけに映像をインナーコミュニケーション施策のツールとして利用し、従業員に自社の課題やブランドを提起し続けています。

経営者の事業への想いを浸透させることや、社内で活躍している従業員の価値観を共有することを目的に活動を続け、社内の活性化に成功。従業員が楽しく働ける環境作りを実現しています。

画像出典・参考:EN-COURAGE「リクルートの文化を創った男が語る「企業活性化コンサルティングの魅力」

社内報をインナーコミュニケーションとイノベーションにつなげる|カルビー

インナーコミュニケーションを活性化する方法として、社内報を活用したのが株式会社カルビーです。同社は1970年に社内報「Loop」を創刊し、隔月で発行。組織内のプライベートネットワークで読める「LOOP plus WEB」も発行しています。

紙版・Web版共に注力しており、紙版は社内報をより従業員が楽しめるものにしようと2018年にデザインを一新。Web版は2012年にデザインやコンテンツをリニューアルし、従業員が気軽にコメントやいいねができる仕様に変更しています。

こうした取り組みにより事業部間の相互理解を促進。インナーコミュニケーションとイノベーションを繋ぐ架け橋として、社内報を活用している事例です。

画像出典・参考:HIP「社内報がイノベーション体質を育てる。ローソンとカルビーに学ぶ社内活性化
参考:カルビー「カルビーグループ社内報「Loop」 2020年度「経団連推薦社内報」で企画賞を受賞

自社の課題を明確にし、インナーコミュニケーションの取り組みを考えよう

インナーコミュニケーションを活性化することは、企業にとっても従業員にとってもメリットがあります。成功するポイントは、取り組む目的を明確に定めることです。そのためにまずは自社の課題を明確にしましょう。その上で、課題解決に結び付くインナーコミュニケーションの取り組みを考えてみてください。

また、インナーコミュニケーションを促進させる際には、株式会社QUICKが運営するインナーブランディングツール「QUICK Smart Brain」が役に立ちます。

作成したマニュアルやナレッジベースなどを自動で動画化して配信ができるだけではなく、自社の日報や営業成績などの情報を読み込ませるだけで、生成AIが自動で動画を生成。社内の情報が自動的に見える化され、インナーコミュニケーションを活性化させます。

「社内での情報共有を促進していきたい」という方は、ぜひ「QUICK Smart Brain」の詳細をご確認ください。

 

 

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