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働き方や価値観の多様化が進む中、重要性が高まっているインターナルコミュニケーション。活性化させるメリットは多いものの、具体的にどのような施策を実施するべきか悩む人も多いのではないでしょうか。
本記事では、インターナルコミュニケーションの基礎知識から、活性化させる具体的な方法まで解説します。
目次
インターナルコミュニケーションとは?
インターナルコミュニケーションとは、社内での情報共有を促進し、組織の繋がりを強くすることを目的に実施される取り組みのことを指します。部署間や上司・部下間、経営層と従業員などの間で実施され、日本語では「内部コミュニケーション」と訳されます。
社内広報との違い
インターナルコミュニケーションと社内広報を同じ意味で使う場合は多くありますが、実施する目的に違いがあります。
インターナルコミュニケーションが経営層と現場の従業員の双方向的な情報共有を目的としているのに対して、社内広報はトップダウン型で一方通行な情報共有が一般的です。
インターナルコミュニケーションの重要性が高まった理由
インターナルコミュニケーションの重要性に気付き、さまざまな施策や制度を導入する企業が増えています。その理由には何があるのでしょうか。
インターナルコミュニケーションの重要性が高まった理由を解説します。
働き方の多様化
従来では、求職者に人気の企業といえば、待遇が良く、得られる経験、スキルが多い企業などある程度単一化されていました。しかし近年では複業や転職などが一般化するなど、働き方や働く際の価値観が多様化し、待遇や経験だけでは従業員を繋ぎ止めることが難しくなっています。
インターナルコミュニケーションは、企業への理解を深め、縦横の繋がりを強化する取り組みです。待遇ではなくビジョンやミッションへの共感により「この会社で働く意義」を感じてもらうことにより、優秀な人材を繋ぎ止めることに繋がります。
キャリアに対する価値観の変化
キャリアに対する価値観にも変化が訪れています。これまではひとつの企業に長く勤め、企業内でキャリアを築いていくことが一般的でした。一方近年では、転職をすることでキャリアを形成する考えが普及しています。
人材の移り変わりが激しい中でも団結力を維持するには、インターナルコミュニケーションによって交流機会を意図的に増やす必要があります。
事業の複雑化
近年では、目まぐるしいスピードで変化する市場のニーズに合わせて、事業が複雑化している傾向にあります。さらに事業が拡大することで、多部署・多階層が進み、より社内組織も複雑化していくといえるでしょう。そうすると、役割や機能が明確に分けられるため、同じ事業に関わっている従業員同士でも、多部署の業務内容は全く知らないということが往々にして生じます。
インターナルコミュニケーションは、機能別に分けられた部署間・上司部下間の交流の機会を増やし、相互理解を促進します。縦横の繋がりが弱まってしまっている企業が多く存在するため、インターナルコミュニケーションの重要性が高まっているのです。
インターナルコミュニケーションを活性化するメリット
インターナルコミュニケーションは、従業員にさまざまな行動変容を促す取り組みです。うまく活用することで、経営にも大きな影響を与えられます。
次に、インターナルコミュニケーションを活性化する具体的なメリットをご紹介します。
メリット1.従業員エンゲージメントの向上
インターナルコミュニケーションを活性化することで、従業員が高いモチベーションを維持できるようになり、従業員エンゲージメントの向上が期待できます。
経営層とのコミュニケーションを通して、企業理念や価値観、考え方や目指す企業像を従業員が理解・共感できるようになります。共感を得られることで企業に貢献したい気持ちが強まり、主体的に業務に取り組む従業員の増加が期待できます。
メリット2.離職率の低下と優秀な人材の確保
インターナルコミュニケーションが活性化すると、離職率低下にも繋がります。インターナルコミュニケーションが活発な組織は、縦や横の交流が盛んで、従業員同士が意見交換しやすい環境が実現している可能性が高いです。
社内の良好な人間関係が構築できていると離職率の低下に繋がり、優秀な人材の流出も防げます。さらにリファラル採用も進むなど、優秀な人材の確保も期待できます。
メリット3.従業員同士の連携強化
社内イベントや社内SNSなど、インターナルコミュニケーションを活性化するための取り組みにより、従業員同士の連携が強化されます。部署内・部署間で情報共有が行われやすくなり、業務のスムーズな進行や効率化、新たなイノベーションの創出が期待できるでしょう。
メリット4.経営理念やビジョンの浸透
インターナルコミュニケーションは、経営理念やビジョンの浸透を目的に実施される取り組みでもあります。
社内SNSや社内報などを通して経営理念やビジョンに触れる機会を増やすことで従業員に理念が浸透し、理念に基づいた意思決定や判断ができるようになります。その結果、会社のブランド力も増し、顧客満足度や生産性の向上にも期待できます。
メリット5.ボトムアップの組織作り
インターナルコミュニケーションは、経営層からの一方的な情報共有やメッセージではなく、従業員の意見も尊重し、双方向的なやりとりを交わす取り組みです。
そのため、トップダウン型ではなくボトムアップ型の組織作りを行う際にも役立ちます。
インターナルコミュニケーションの成功事例3選
インターナルコミュニケーションを実施していくためには、具体的にどのような施策を行っていくのかイメージできない方も多いのではないでしょうか。そこでまずは、具体的な成功事例を3つご紹介します。
入社1年目から参加できる新規事業提案制度|リクルート
リクルートホールディングスでは、入社1年目の従業員も参加できる「新規事業提案制度」を実施しています。既存領域・新規領域を問わず事業の提案が可能で、一次審査を通過した起案は各領域の役員陣からFBを得られます。
従業員の主体性を育てるだけではなく、立場を超えたコミュニケーションを活発化させるための取り組みだといえるでしょう。
参考:株式会社リクルート「Ring」
明確なコンセプトと活発な社内イベント|ニチレイフーズ
株式会社ニチレイフーズは、従業員のモットー「ハミダス(とらわれず、明るく)」を社内に浸透させるため、事業統括部の名称を「ハミダス推進グループ」と変更。社会的に意義のある活動に加えて、従業員同士の交流を促進する社内イベントを実施しています。
こうした活動のおかげで社内で従業員モットーの周知が進み、今では「ハミダス活動」というと積極的に関わってくれる従業員が増えたのだそう。日常的にモットーを意識できる環境を作り、モットーを浸透させた点で参考になる事例です。
参考:Sofia「お客様インタビューvol.8「社員のハミダス気持ちをカタチにする 株式会社ニチレイフーズ SharePoint Onlineサイト構築」」
インターナルコミュニケーションを活性化する9つの方法
インターナルコミュニケーションを活性化するための方法は、企業により様々です。紹介した成功事例は「こんな方法もあったのか!」と驚いた方も多いのではないでしょうか。
次に、すぐに始められるインターナルコミュニケーションを活性化させる方法をご紹介します。目的や自社の状況に合わせて、適切な手法を選択しましょう。
社内報の充実
社内報は、社内の情報共有やコミュニケーションのきっかけ作りとして有効です。従来は紙媒体がほとんどでしたが、現在はWeb媒体を利用した社内報が主流。Webであれば印刷したり配布したりなどのコストが少なく、社内の情報をリアルタイムで共有することもできます。従業員もアクセスしやすいので、閲覧率も上がるでしょう。
社内SNSの導入、活用、運用の見直し
インターナルコミュニケーションを活性化させるには、社内SNSの導入や活用も検討してみてください。従業員同士が気軽に相談や報告などができるので、業務効率向上が期待できます。
すでに社内SNSを導入しているけれど活用できていない場合は、運用の見直しを行いましょう。コメントやいいねなど積極的にリアクションする、意見やアイデアを募集する場所として活用するなど、使用するハードルが下がるようなルールを取り入れると、コミュニケーションが活性化します。
ナレッジマネジメントシステムの導入
ナレッジマネジメントシステムを導入し、知識やノウハウを全社で積極的に共有する風土の醸成も、インターナルコミュニケーション活性化の方法として有効です。
従業員がシステムにナレッジを蓄積・共有する習慣がつくことで、情報の共有漏れが防げ、業務の効率化にも繋がります。
Web会議システムの活用
Web会議システムとは、Web上で会議ができるシステムのことです。Web会議システムを導入すれば、テレワーク同士でのミーティングや、出社している従業員と在宅勤務をしている従業員とのミーティングも気軽に行えます。
テキストベースのコミュニケーションと比べて、さまざまな情報を一度に共有できるのがメリットです。
社内イベントの実施
社内イベントは、社内の縦横の繋がりを深めるきっかけ作りとして有効な方法です。周年イベントや社内表彰イベントなど、業務と関係のあるイベントを実施するのがおすすめ。
普段関わりのない部署や従業員の業務内容の知識・情報の共有により、双方向的な理解が促進されます。
サンクスカードを導入
従業員同士の繋がりをより強化する方法としては、サンクスカードの導入があります。サンクスカードとは、メッセージカードにメッセージを書き、相手に手渡すことで感謝の気持ちを伝えるカードのことです。人間関係を円滑にし、働きやすい環境を作る効果が期待できます。
従業員アンケートの実施
従業員の率直な意見を吸い上げ、インターナルコミュニケーションに活かす方法として従業員アンケートの実施があります。上司や会社に対して直接は言えないような業務上の不満やチームの課題などを知ることができます。無記名にすることで従業員のリアルな声を集められ、コミュニケーション改善に繋げられます。
現場訪問やランチ会
経営陣の現場訪問やランチ会では、経営陣の想いを従業員に直接伝えられ、それによって士気やモチベーションが向上する効果が期待できます。ランチ会は従業員がリラックスした状態にあるため、フラットな意見交換をしたい場合におすすめです。普段関わりのない経営陣の人柄を従業員が知る機会としても活用できます。
オフィスサイネージでのコンテンツ配信
従業員が頻繁に通る場所や、立ち止まる場所にオフィスサイネージを設置すれば、自然な形で情報共有ができます。サイネージでは、動画や写真など多くの情報を視覚的に伝えられます。テキストに比べて記憶にも残りやすいおすすめの方法です。
インターナルコミュニケーションに取り組む3つのポイント
インターナルコミュニケーションに取り組む施策は多々ありますが、施策の効果を最大化し、成功に繋げるためには重要な3つのポイントがあります。
それぞれのポイントを確認して、効率的にインターナルコミュニケーションを実施していきましょう。
少数派や消極的な従業員も尊重する
情報共有や施策を実施する際には、消極的な従業員をフォローする意識も大切です。全ての意見を反映することはできませんが、さまざまな意見に耳を傾け、施策への反映を検討する姿勢は必要です。
少数派や消極的な従業員が自分たちが蔑ろにされていると感じることがないよう、尊重する意識を持ちましょう。
自社にあった複数の施策を取り入れる
インターナルコミュニケーションに取り組む際は、複数の施策を取り入れるのがおすすめです。1つの施策のみで社内のコミュニケーションが促進され、成果が出るケースは多くありません。自社の社風や状況にあった施策を複数ピックアップし、効果の最大化を目指しましょう。
中長期的な目線で計画を立て、仮説検証を続ける
インターナルコミュニケーションに関する施策はすぐに効果が出るとは限らないため、中長期的な目標設定が必要です。中長期の期間は半年〜1年以上が目安。複数の施策をどのタイミングで実施するのかも同時にスケジュールを立てて、仮説検証を続けることで、インターナルコミュニケーションの改善が期待できます。
成功事例を参考に、インターナルコミュニケーションの活性化に取り組もう
インターナルコミュニケーションに取り組んでいる企業は多く存在します。自社で実施する際には、すでに成功している企業の事例を参考にするのがおすすめです。自社と業態や状況が似ている企業であれば、取り組み内容は非常に参考になります。
事例から成功するポイントを掴み、自社でインターナルコミュニケーションの活性化に取り組みましょう。
また、企業の情報共有を促進させる際には、株式会社QUICKが運営するインナーブランディングツール「QUICK Smart Brain」が役に立ちます。
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