ユースケースは、特定の目的を達成するために、ユーザーとシステムがどのようにやり取りするかを、手順として整理した記述です。ユーザーが何をしたいのかだけでなく、入力、分岐、例外、結果まで含めて「どう進むか」を具体化します。要件が曖昧な段階でも、業務とシステムの境界をそろえる材料として使いやすいでしょう。
実務では、主シナリオ(正常系)に加え、代替シナリオ(分岐)と例外シナリオ(エラーや不正入力、権限不足など)を整理します。前提条件(誰が、どんな権限で、どのデータが必要か)と、事後条件(何が確定し、どんな状態が残るか)を明記すると、実装とテストの観点が揃います。ユースケース図は関係者に全体像を伝えやすい一方で、図だけだと分岐や例外が抜けやすいので、文章の記述を併用するほうが安全です。
データ利活用の文脈では、ユースケースから必要なログ設計やKPI、ダッシュボード要件を逆算できます。たとえば「在庫不足を早期検知したい」というユースケースなら、在庫更新の頻度、閾値、アラート通知先、対応フローまで含めて要件に落とし込めます。ユースケースは、作る機能の説明ではなく、利用者の行動と結果を軸に書くと、優先順位と受け入れ条件がぶれにくいです。

