リテンションは、獲得したユーザーが一定期間後もサービスを継続利用している状態を指します。リテンションは「使い続けてもらえているか」を見る概念で、プロダクト改善やマーケ施策の効果検証の土台になります。解約(チャーン)を減らす取り組みは、リテンションを高める取り組みと言い換えられる場面も多いでしょう。
リテンション率は、特定の起点から一定期間後に残っているユーザーの割合です。一般的には、起点となる日(初回利用日、登録日、初回購入日など)でコホートを作り、N日後に再訪・再利用した人数 ÷ 起点人数で算出します。アプリならD1/D7/D30、SaaSなら週次・月次の継続利用や契約継続で見ることが多いです。
実務で最初に決めるべきなのは「何をもって継続とみなすか」という再訪条件です。ログインだけを継続とするのか、特定機能の利用や購入完了まで求めるのかで、リテンション率の意味合いが変わります。分析要件定義の段階で、起点イベント、継続イベント、観測期間、タイムゾーンを固定すると数値のブレが減ります。
つまずきやすいのは、分母に新規ユーザーが混ざる集計をしてしまい、施策の影響が見えなくなることです。コホート別に追わずに全体のアクティブ率だけを見ると、獲得増で良く見えたり、季節性で悪く見えたりします。リテンションはセグメント(流入元、初回体験、プラン、デバイス、地域など)で分解し、改善余地がどこにあるかを特定するのが現実的です。
SaaSでは、ユーザー単位のリテンションに加えて収益面の継続を見る指標も重要になります。代表例はロゴリテンション(契約社数の維持)と、NRR/GRRのような売上ベースの継続で、アップセルやダウングレードの影響まで含めて評価できます。プロダクトの目的に合ったリテンションの定義を置くことが、数字を意思決定に使ううえで欠かせません。

