KVS(Key-Value Store)は、キーと値の組み合わせでデータを保存し、キーを指定して高速に読み書きできるデータストアです。値は文字列だけでなくJSONやバイナリなども扱え、シンプルな構造の代わりに検索や集計は得意ではありません。セッション管理やキャッシュ、簡易な状態管理など、キーが分かっている前提のアクセスで強みが出ます。
実務では、キー設計が性能と運用を左右します。キーの命名規約と粒度が曖昧だと重複や衝突が起きやすく、データの寿命(TTL)を決めないと保存コストが膨らみます。更新の整合性をどう担保するかも論点で、分散構成では「強い整合性」と「可用性・性能」のトレードオフを意識する必要があるでしょう。
データ基盤でKVSを使う場合は、分析用のDWHと役割を混同しないことが重要です。KVSは高速アクセスのためのオンラインストアで、履歴を残して集計する用途は別の基盤に寄せた方が整理しやすいです。権限設計と監査ログ、バックアップの範囲まで含めて運用を固めると、キャッシュがいつの間にか“正”のデータになってしまう事故を防げます。

