監査証跡とは、業務やシステムの処理が適切に行われたことを、後から説明できる形で示す証拠のまとまりです。監査証跡は「いつ、誰が、何を、なぜ、どのように行い、結果がどうなったか」を追える状態を指し、監査対応や不正防止の基盤になります。
監査証跡は、監査ログのような記録データだけで構成されるとは限りません。承認フローの履歴、申請書類、設定変更の根拠となるチケット、運用手順書の改定履歴など、判断と実行の流れを裏付ける資料も含まれます。監査ログは「操作の記録」に寄りやすく、監査証跡は「適切に運用されたことを証明する材料全体」と捉えると区別しやすいでしょう。
具体例として、アクセス権限の付与や変更を行った場合に、申請・承認の記録、実施した変更内容、変更後の確認結果を一連で残すと監査証跡になります。データ分析基盤でも、データの取り込みから加工、公開までの処理履歴や、定義変更の理由を残しておくと、数字の根拠を説明しやすくなります。
監査証跡を機能させるには、どの業務が監査対象か、どの証拠をどれだけの期間保存するかを先に決めることが重要です。記録が点在していると追跡に時間がかかるため、保管場所と検索方法を統一し、改ざん防止やアクセス制限も合わせて設計すると安心です。

